ロシア空軍がウクライナ西部スタロコスティアンティニウにある飛行場を拠点とする同旅団を壊滅させようと全力を尽くしているのはそのためだ。だが同旅団は、1年半にわたり戦い続け、ロシア軍の攻撃をかいくぐってきた。
ロシアが2022年2月24日にウクライナに本格侵攻したとき、同旅団は双発2人乗りのSu-24M爆撃機とSu-24MR偵察機を数十機保有していただけだった。
ロシア軍が侵攻直後に行ったウクライナ空軍基地へのミサイル攻撃は、大きな損害を生まなかった。NATOの情報機関からの内報を受けたウクライナ空軍は、航空機や兵士を郊外の小さな飛行場や道路沿いの仮設滑走路に避難させていたのだ。
重力で落ちる無誘導の爆弾を通常積んでいる第7旅団のSu-24Mは、直ちに戦闘任務を開始。一部のSu-24Mは、侵攻初日の2月24日、首都キーウ郊外のホストーメリ空港周辺に展開したロシア軍のパラシュート部隊に対し、低空飛行で爆弾を投下した。
侵攻後の最初の1年は同旅団にとって厳しいものだった。17機のSu-24がロシア軍に破壊され、乗員数十人が犠牲になった。だがウクライナ空軍は引退したパイロットやナビゲーターを呼び戻し、保管所で放置されていた多くのSu-24の一部を復活させることで、同旅団の戦力をなんとか維持した。
そして今春、英国が供与したステルス能力を持つ巡航ミサイル「ストームシャドー」が、同旅団の運命を大きく変えた。英国とウクライナの技術者らは、Su-24MとSu-24MRを改造し、ストームシャドーを2発搭載できるようにした。
Ukrainian Forces 🇺🇦 hit two logistical routes linking Crimea to the rest of Ukraine using several Storm Shadow Cruise Missiles
— Ukraine Battle Map (@ukraine_map) August 6, 2023
Both The Chongar Bridge and The Henichesk Bridge were hit, they are two of four places where vehicles can cross over from Crimea to enter Kherson Oblast pic.twitter.com/1FvWig3gGi
これにより同旅団の損失ペースは大幅に低下。2022年には平均して月に1、2機の爆撃機を失っていたのが、今年になってから損失はほぼ皆無だ。