経営・戦略

2023.07.21 10:00

次世代リーダー必見、令和流「人を動かす力」とは

「アチーブメント」代表取締役会長兼社長の青木仁志代表

谷本:ここまで理念について話していただきました。「足るを知る」「三方よし」など、素晴らしいと思う一方で、やはり誰かが勝つと誰かが負けるというゼロサムゲームが存在しているようにも思います。例えば、大企業と中小企業という構図のように。全員が勝つということは本当にできるのでしょうか?
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青木:誰もが勝てる仕組みを、全員で考えなければいけないと思います。大企業と中小企業の関係でいうと、中小企業経営者はもっとクリエイティビティを発揮しなければいけません。どうしたら予算が取れるか、どうしたら安定できるかを考えるのではなく、どうしたらもっとお客様に貢献できるだろうかと考えることです。私は、自分の会社を業界のモデル企業にしていこうと啓蒙しています。

遠回りに見えたとしても、クオリティを追求していくことですね。

決して金持ちになるな!価値持ちになれ

谷本:Forbes JAPAN読者の経営者の皆さんは、海外への展開をしている方も多いですが、世界に対しての日本的経営の課題をお聞かせいただけますか。

青木:私は常々、「金持ちにならずに、価値持ちになりなさい」と説いています。世の中には、1万円でも高いものがあり、10万円でも安いものがある。価値とは人の知覚から生まれるのです。そしてその価値の源泉の一つには、文化があります。例えば、日本製の桐箪笥は、香港の富裕層に何百万円かで売られている現状があります。日本文化を見つめ直した先に、ブランドがある。そしてブランド力が収益率を高め、収益率がブランドを強くします。ルイ・ヴィトンが最たる成功例でしょう。
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私は長年、B to F(Business to Fan)を追求してきました。広告を出してお客様を獲得することも大切ですが、満足したお客様がファンとなり、さらなる口コミや紹介をつくってくださることほど強力なビジネス戦略はありません。知られていなければ無いことと同じだともいいます。日本文化の価値を見つめなおしながら、ブランドづくりにもっと向き合わなければいけないと思います。
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インタビュアー=谷本有香(Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長) 文=中村麻美

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