経営・戦略

2023.07.21 10:00

次世代リーダー必見、令和流「人を動かす力」とは

「アチーブメント」代表取締役会長兼社長の青木仁志代表

谷本:昨今は、SDGsが叫ばれるようになり、社会ひいては地球について経営者は思いを馳せなければならなくなりました。青木代表は、どのようなところを大切に考えていますか。
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青木:「和をもって尊し」という言葉がありますが、その心は「バランス」にあります。目先にある狭義の利己主義経営を脱して、長期的視点から見て何が正しいのか?と考える事です。儲け主義とは一線を画す考え方です。

松下幸之助さん曰く「真理に従順なのは、素直だ」と。私自身、30代で、この言葉に出会いました。真理とは、お客様にとっても、株主にとっても、お取引先にとっても、社員にとっても、社会にとっても、自分にとってもよいことであり、今だけではなくこれから先もよいことであると。まさにこの「真理」、何が正しいのかということの答えを、世界ひいては地球レベルで考えていく必要があると思います。

これは日本ではなくて中国の思想ですが「足るを知る」と老子は言いました。与えられているものや、今もっているものに感謝しながら、ともに助け合うという共存共栄の視点で経営していかなくてはいけないのです。

これからの時代は、「人間力」と「価値を生みだす力」

次世代に求められる「人を動かす力」とは、1. 向かう先を決める。2. 範を示す。3. 力を引き出す。4. 尽くす。5. 文化を作る。という5つのキーワードから形成されているという。日本的経営モデルを実践している青木代表は、最も大切なのは、「人の和」だと説く。GPT時代が加速しているが、後に続く人材への貢献とクリエイティブに生きる事で、人間の究極の目的である「幸せ」へと到達するのではないだろうか。
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谷本:今回、ご執筆された「次世代リーダーに求められる「人を動かす力」」 では、これまで青木代表が実践された経営学や、日本青年会議所の歴代会頭の実録が書かれているのですが、これからの時代、単独の社長だけが動くのではなく、今までリーダーシップを考えた事のない人々もまたリーダーシップを持って動いていかなければならないと感じます。どのようなことから始めたらいいでしょうか。

青木:リーダーシップを形成する要素の2つは、「徳」と「才」であると考えます。徳とは人間力であり、才とは価値をつくりだす力です。経営者であるなし、著名であるなしに関わらず、この2つを有するリーダーが時代を動かしていくのではないでしょうか。

では、どうすればこの2つの力が高まるのか。35年間47万人以上の人材教育に携わってきましたが、一つの答えとして、逆境を乗り越えることがあげられます。私自身も、17歳で溶接工見習いとしてゼロから社会人生活をスタートし、さまざまな逆境を乗り越えて今があります。今回メッセンジャーとして力を貸してくださった歴代会頭の5名の方々も、皆さんそれぞれがそれぞれの逆境を乗り越えるなかで、無から有を生み出しリーダーシップを発揮してこられています。
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インタビュアー=谷本有香(Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長) 文=中村麻美

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