宇宙は私たちが考えている以上に奇妙であるだけではなく、私たちが考えうる以上に奇妙である。- ヴェルナー・ハイゼンベルク「Across the Frontiers」(1974)
生物を学ぶ学生として、私は数多くの奇妙な物事に出会ってきたが、想像すらしたことのない奇妙なものの1つが、地中でのみ花を咲かせ、実を結ぶ植物だ。この植物は科学にとっての新参者であり、ヤシ科(Arecaceae)の中で、地中に花を咲かせ、結実させる唯一の種だ。この植物はその生き方、たとえばどうやって受粉するのか、どの生物が授粉するのか、送粉者(昆虫や鳥類など)はどうやって花を見つけるのか、など数々の疑問を私に抱かせた。
その注目すべき珍しいヤシは、つい1月ほど前にPinanga subterraneaという学名で正式に登録された。名前は「地下」を意味するラテン語に由来するもので、英国キュー王立植物園のチームが命名した。その果実はイノシシによって散布されていると考えられているが、授粉に関する私の疑問に対する答えはいまだにない。
