スタートアップ

2023.06.30 14:30

創業1年のインフレクションAIが13億ドル調達、ビル・ゲイツも出資

「電撃的な規模拡大」へ

インフレクションが6月初めに発表し、OpenAIのChatGPTと同様の計算能力を持つと主張したPiに使用された言語モデルは、同社が開発中の小規模なものの1つであり、今後さらに大きなものが登場するとスレイマンは述べている。また、短期的なパイプラインとして、選ばれたパートナーが独自の会話AIを訓練するためのAPIも用意されている。(インフレクションは、自社のコンシューマ向け製品に注力しているため、このAPIを一般に公開する予定はないとスレイマンは述べた)

「我々は、これまで以上の指標で資金調達を継続する見通しです」とスレイマンはいうが、それはベンチャーキャピタルからの調達を意味しない。「私たちのネットワークやリーチは、通常のベンチャーキャピタルが加速させるようなものではありません。私がCEOとして個人的に求めているのは、投資家からのアドバイスで、彼らの知恵の恩恵を受けることです」と彼は語った。

AI分野の巨額の資金調達に眉をひそめる懐疑的な人々に対して、スレイマンはいくつかの説明を提供した。AIモデルの学習コストは時間の経過とともに低下しているが、インフレクションとそのライバル企業はより大きなモデルを学習させたいと考えているため、絶対的なコストは増加の一途をたどっているという。

さらに、このようなテクノロジーに対する投資家や消費者の熱狂的な「潮流」が生まれているが、スレイマンは、喜んでその波の上を「サーフィンしている」のだという。「これはクレイジーな状況だ」と彼は認めた。歴史的な成長機会に直面するインフレクションにとって最善の策は「電撃的な規模拡大」を行い、貪欲に資金を調達し、リスクを顧みず可能な限り急成長を遂げることだとスレイマンは付け加えた。

「スモール・イズ・ビューティフルという言葉がありますが、私たちは1年足らずでそれを実証しました。これは旅の始まりであり、本当にスタートラインに立ったに過ぎないのです」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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