コロドニーはその頃、ミレニアル世代が、給料ぎりぎりの暮らしをしていることを知っていた。彼らは、その年の米国経済を襲った株安や金融の逆風の影響で、大手の銀行に不信感を抱き、別の選択肢を探していた。
そんな時、彼女はフィンテックのスタートアップのChimeを紹介された。オンラインバンキングサービスを提供するこのアプリは、彼女の投資テーマにぴったり合う、厳しい経済状況に置かれた人々を助けるものだった。Chimeのアカウントは、毎月の手数料や当座貸越手数料が無料で、ユーザーは給料日の2日前に支払いを受け取れる。
コロドニーは2016年4月に、評価額3400万ドル(約48億円)でChimeのシリーズAラウンドを主導した。Chimeの評価額は今では250億ドルに上昇し、数百万人のユーザーを抱えている。
現在は、Acrew Capitalの創業パートナーを務めるコロドニーは、人々を金銭的苦境から救い出すことを目指している。彼女は、不妊治療のための資金調達プラットフォームのFuture Familyや、クリエイターに銀行サービスや税務支援などを提供するCreative Juiceなど、21社のスタートアップを支援している。コロドニーはまた、現在の評価額が96億ドルの人事ソフトウェアのGustoに、2016年にいち早く出資していた。
その他、彼女のポートフォリオには、直近で5億ドルの評価を受けたメキシコの銀行サービスプロバイダーのKlarや、住宅保険と自動車保険を提供するユニコーンのBranch Insuranceが含まれている。
コロドニーは今年、フォーブスが世界で最も優れた投資家100人を選出する年次リスト「ミダスリスト(Midas List)」に、他の6人の新参者とともに初登場した。ミダスとはギリシャ神話に登場する王の名で、触れるものすべてを黄金に変える能力(ミダスタッチ)を持っていたことで知られている。