宇宙

2023.07.02 10:30

「スーパームーン」をスマホできれいに撮影する7つのコツ

安井克至

Getty Images

2023年に4回やってくるスーパームーンの第1号が、週明けにかけて「スーパー・バックムーン」(バックは牡鹿のこと)として夜空を飾る。

7月3日月曜日(日本時間20時39分)に完全な満月となるこの月は、月の出の時に見るのがベストだ。ただし、この満月は北半球では1年で最も低い位置を動くため、日の出前に南西に沈むまでの間、一晩中南の空で比較的簡単に見たり写したりできる。

SNSには満月の画像があふれるに違いないので、スマートフォンでスーパームーンを撮影するために知っておくべきことを以下に述べる。

1. 月の出を狙う

スーパームーンを撮影する最適なタイミングは月の出だ。「赤く染まった空に黄金色の輝きと魅惑的な雲の形状が相まってすばらしい背景を作り、特にスマホで撮影するには月の輝度が高いので露出の調整が容易です」とプロ写真家のMark Lordはいう。満月は淡いオレンジ色で東の空に昇り、鮮やかなイエローへと変わり、空高く昇る頃には非常に明るい白になる。できるだけ地平線の近くで捉えるのがお勧めだ。

2. 三脚を使う

スマホを窓枠や壁に押し当てて慎重に撮ればできないことはないが、安価なスマホ用三脚を使えば、鮮明な画像をずっと簡単に撮ることができる。それは、きれいに映すためには遅いシャッター速度が必要だからで、ごくわずかな動きでもブレにつながる。

3. 「月の錯視」を利用する

太陽と月はとても小さく、空の上で1度の半分ほどしか占めないが、何かのそばで見ると、人間の脳には大きく見える。これは「月の錯視」と呼ばれる現象で、ビルや樹木、山や岩などが手前にあると月は大きく見える。これは、スーパームーンが平均より約7%大きい(平均より地球に近いため)という事実よりも重要だ。「何かランドマークや天然物を前景に置くか、月が地平線に近い時に撮影するのがおすすめです。そうすることでスケール感がでます」とLordはいう。

4. ズームは使わない

このスーパームーンははるか遠く、正確には36万1934km離れている。「ズームを使うと画質が損われます」とLordはいう。スマホのズームはデジタルズームであり、画面上の画像を切り抜いて拡大しているだけだからだ。「横位置で撮影し、前景の地形や物体を使って画像に立体感と変化をつけましょう。例えば、木の枝を通した見る満月は、ちょっと不気味で雰囲気のある写真になります」
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翻訳=高橋信夫

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