美食評論家の中村孝則さんや実業家の本田直之さんなどフーディーからもですが、シェフからの信頼も篤いのがありがたいですね。
シェフとの親交は学校での活動にも活かされていて、たとえばミシュラン二つ星「傳」の長谷川在佑シェフは、夫が、経営する青稜中学校・高等学校で自ら担当する「青田ゼミ」に講師として出演してくださったほか、オイシックスと生徒たちが共同開発したアップサイクル商品の開発に協力してくださいました(「校内は太陽光発電」の進学校、ミシュラン星付シェフと商品開発)。
ほかには、青山/外苑前のフレンチ「フロリレージュ」の川手寛康シェフも、青稜の「SDGs部」部員の生徒たちにフードロスについてレクチャーしてくださったり。教育業界と食の世界がこんなふうにつながるのは、世界でもあまりないのではと思います。
「事件はレストランで起きる」!
──青田先生が、ワインや食を通してどうネットワーキングされているのかお聞かせいただけますか?『踊る大捜査線』(フジテレビ、1997年)の名ゼリフに「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」がありますが、彼と一緒にいると「事件はレストランで起きる!」を実感します。
たとえば藤原ヒロシさんに青稜の制服をデザインしてもらう話も、ご飯を食べながら出たそうです。もともとヒロシさんは食について博学で情熱もおありだったので、自然にご縁がつながったとか。
残念ながら、制服の話が立ち上がったその歴史的な食事の場には私は立ち会えていないのですが、その後ご一緒に食事する機会が何度もあって、そうするとお店で、「制服のあそこのパーツどうしよう?」みたいな話を普通にしていましたね。
彼の著書『メンズビオレ」を売る進学校のしかけ』 (青春新書インテリジェンス)にもありますが、大田区で介護事業をしている企業、GOENと連携してハンバーガーショップ「GOJO(互助) BURGER」を出したり、 施設のお年寄りが揚げてくださった「ばあばの唐揚げ」を昼休みに学校の売店に出したりといった企画も、GOENの社長さんと食事しながら誕生したようです。
──青田先生は「食」にはとてもお詳しいですが、ワインは彩さんほどの知識はおありでないと思います。教えてと言われたり、独学している様子は?
「食」と「ワイン」は完全に、夫婦で役割分担していますね。2人でレストランに行く時も、彼が食事を選んでいる横で私がワインリストを見る。で、「決まった?」みたいな感じですね。 基本的に、ある程度以上の専門性が必要な分野は信頼して任せ、楽しむ主義のようです。