人は、自分が夢中になれるものが見つかると、心身ともに復活するものです(笑)。
きっかけは「10円ハゲ」!
──青田先生は当然、初対面で彩さんに一目惚れでしたよね。どうでしょう。でも彼は、初対面での「10円ハゲ」事件をよく覚えているそうです。
ワインショップ&ダイナーフジマルでの出会いの日、お話ししたように、復職はしていたものの、私は将来のキャリアについて悩んでいました。ワインは楽しいけれど仕事にするには資格も不足、安定した仕事を続けるべきか、と。それで、ストレスのせいで今度は頭に10円ハゲができていたんです。
実は10円ハゲって、指で触るとすごく気持ちがいいんですよね。まだ産毛も生えてない赤ちゃんの肌みたいでツルツルで。自分でも当時すごく気に入って触っていて、みんなにも「触ってみて!」みたいなことを言っていたんですね。
実は、あまり覚えていないのですが、初対面の夫にも触らせたらしいんです。それで、あれ、この子相当変わっているなあ、と。それが好印象だったようです。
お話ししたように夫は眩しい感じのいわゆる若き経営者で、逆に「ちょっとうさんくさいかも」とか「こういう人には絶対もう彼女もいるだろう」とか思っていましたが、向こうから連絡があって、出会って2週間後くらいに食事に行きました。
彼が最初のデートに選んだのは、生井祐介シェフのCHIC peut-etre (シック プテートル)というレストランでした。
当時、彼はまだ「世界のベストレストラン50」の日本事務局に入る前でしたが、すでに食の業界ではかなり有名な存在で、お店選びのセンスも抜群でした。ちなみにこの店は今は閉店して、「アジアのベストレストラン50」 13位にも選ばれた名店「Ode(オード)」になっています。
さらには2回目のデートが、ワインメーカーズディナー(ワインの生産者や輸入業者が開催する食事会)だったんです。カリフォルニアワインの作り手が招ばれていて、最高でした。彼もかなりのワイン好きでもあるので、まずは食とワインで話が合って、意気投合した感じですね。
その後は、かなりのスピード婚でした。付き合い始めてから結婚するまで1年もなかったです。
シェフとの親交がビジネスにも直結
──青田先生は経営者でありながらフーディーとしても業界では知られる存在で、「世界のベストレストラン50」の日本事務局もされていますね。元々、 小さい頃から家族で外食をする時はホテルに行っていたそうです。でも、子ども扱いをされて悔しい思いもし、「大人になったら、こういうところで自分のお金でちゃんとしたサービスを受けながらおいしいものを食べよう」と決めていたみたいですね。