この7月に著書『「メンズビオレ」を売る進学校のしかけ』(青春新書インテリジェンス)も上梓したばかりの同校の青田泰明氏は、自ら中学校の授業も担当する「変わり種」校長だ。氏が2020年、その自らの授業で生徒たちに「学校にこんな風に変わってもらいたい」アンケートを行ったところ、゙生徒から「学校の電気が再生可能エネルギーを使ったものになると良い」「ソーラーパネルをたくさんつけたらどうか」と提案があったという。
「予算的に無理」と思っていたソーラーパネル案、実は──
青田氏の著書『「メンズビオレ」を売る進学校のしかけ』から以下引用しよう。
「その時は、『今の青稜が取れる最も貢献度が高いSDGsアクションは確かに電力だろうけど、7年前に検討した時はすごい高額だったんだよなぁ......』と早々に諦め、『ごめんね。太陽光発電って結構大変なんだよ』と返答していました。
ところが、その後タクシーに乗った時のことです。車内モニターに流れる再生可能エネルギーの専門企業さんのCMを見ると、既に7年前とは状況が大きく異なり、太陽光発電に切り替えたとしても電気代は大して変わらないと言うのです。
タクシーの中から急いで連絡を取り、営業の方から詳しいお話を伺うと、トントン拍子で年度途中での切り替えを実現することになりました。『これまたすごい急な話ですね』と先生たちには驚かれましたが、あのアンケートに答えてくれた生徒たちの声が、ずっと心に引っかかっていたのです」
生徒会からのボトムアップで叶った「女子の髪型に関する校則改定」も
同校で生徒自身の提案が学校行政にとってのアクションプランとなり、実装された例は、何もこの「太陽光発電」に限らない。
昨年11月には、「女子は後髪が肩に届いたら結ぶ」という従来校則に対する「合理的ではない、理由が明確でない」といった意見を元にした生徒会からのボトムアップで、「髪を結ぶ、結ばないは任意とする」ルールに変更する改正案が提出された。そして施工期間の後、この5月には実際に「女子の髪型に関する校則改定」が実現している。
「なによりも生徒たちには、自分たちが声を上げて、ちゃんと交渉をし、事例も挙げ、理詰めで主張すればルールは変わるし、アイデアも現実になることを知ってほしいと思うんです」と話す青田校長。その校長自身の主導で始まった、新たな施策がここにある。
ミシュラン星付きシェフの長谷川在佑氏、そして「Oisix」を始め、食品のサブスクリプションサービスを運営するオイシックス・ラ・大地との「SDGsゼミナール」による商品開発である。この5月から、全7回にわたる授業が約半年間の予定で始まった。