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欧州

2025.03.15 09:00

ロシア軍、クルスク退却のウクライナ軍から西側製兵器を次々に鹵獲 M1やM2

米国製M1エイブラムス戦車(M2M_PL / Shutterstock.com)

米国製M1エイブラムス戦車(M2M_PL / Shutterstock.com)

ロシア軍のルビコン先進無人技術センターの精鋭ドローン(無人機)部隊は2月23〜24日ごろ、ロシア西部クルスク州のウクライナ軍支配地域の中心地だった町、スジャのウクライナ軍守備隊を支える主要補給線に対する攻撃を激化させ、甚大な損害を与え始めた。

ルビコンのドローン部隊は、複数の自爆ドローンで「車両の前後、側面をほぼ同時に攻撃する」という手の込んだ待ち伏せ攻撃など「高度な戦術」(アナリストのアンドルー・パーペチュア)を駆使し、ごく短期間に百両単位のウクライナ軍車両を撃破した。

パーペチュアは最近、2月25日に更新したマップの画像を投稿し、自身のマップをフォローしてきた人たちが「クルスクについて心配し始めた日だったはずだ」と振り返っている。それから2週間後の今週初め、複数の重旅団を含む1万人規模のウクライナ軍部隊はクルスク州から撤収し始めた

物資が欠乏し、孤立の危機にもあったウクライナ軍は、おそらく夜の闇に紛れ、迅速に移動した。同伴できない重装備は放棄し、事実上ロシア側に渡した。

それには、ウクライナ軍の屈指の旅団が保有する同軍で最高峰の車両や大砲も含まれる。

M1エイブラムス戦車

ジョー・バイデン前政権の米国は2023年、重量約63t、乗員4人のM1エイブラムス戦車をウクライナに31両供与した。分厚い装甲を備え、精度の高い120mm滑腔砲で武装したM1は、ウクライナ陸軍第47独立機械化旅団の1個大隊に配備された。第47機械化旅団はウクライナ南部や東部、ロシア西部で2年近くほぼ休みなく戦ってきた精鋭部隊だ。

積極的に戦闘を行い、攻撃側でそうすることも多かった第47機械化旅団は、損傷したM1を遺棄せざるを得なくなる場合もたびたびあった。両陣の中間地帯に乗り捨てられた1両数百万ドルのエイブラムスを回収するのは厄介だった。したがって、同旅団がクルスク州から退却する際、損傷したM1を置き去りにし、ロシア軍がそれを鹵獲したのはとくに驚くようなことでもない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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