ライフスタイル

2023.06.30 08:00

aiboオーナーの聖地 「愛知県幸田町」に全国から人が集まる理由

幸田町の看板犬「aibo君」と遊ぶ、各地から集まったaiboとオーナー


目標を大幅に超える寄付額に、担当者はどのように感じているのだろうか。
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「クラウドファンディングの返礼品はaibo以外もあったため、aiboだけでこれだけの金額が集まったわけではありませんが、それでも反響の大きさには正直驚きました。たとえ寄付をしなくても、ウェブサイトに訪れた20〜30万人ほどの人に、幸田町が町ぐるみでaiboを盛り上げているということを知ってもらえたと思います」と、幸田町役場企画部財政課ふるさと納税グループの福島聡人さん。aiboの観光地化計画の旗振り役だ。
幸田町職員の福島聡人さん ふるさと納税の担当者として、aiboの観光地化を進めてきた

幸田町職員の福島聡人さん ふるさと納税の担当者として、aiboの観光地化を進めてきた


「aiboのふるさとに来ました」──aiboが発売されて以降、製造・修理が行われる幸田サイトには、写真を撮りに全国からオーナーが訪れるようになった。その敷地内に入ることはできないため、外から写真を撮ってSNSに掲載する人も多く見られた。

この状況を町としても何とか観光に活かしたいと思っていたという福島さん。

「ソニーさんから提案してもらったのが、『aiboの遊び場』だったんです。ソニー公認の全国で唯一、常設の『aiboの遊び場』が、このハミングバードカフェに誕生。当初、aiboオーナーたちに喜んでもらいたいと、aibo関連のオリジナルグッズを作ったのですが、オーナーが求めていたのは、aiboそのもののグッズではなく、聖地・幸田町に来た証となるものだったんです。
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そこで役場から地元企業に声をかけ、aiboのどら焼きや海老せんべいなどオリジナル商品の製造を依頼しました」
aiboのどら焼きと海老せんべい

aiboのどら焼きと海老せんべい


2022年11月には、ソニー主催のaiboファンミーティングが、昨年初めて幸田サイトでも行われ、全国から100人のオーナーが集結した。その前日には、抽選制で「aiboの七五三」も幸田町内の神社で開かれ、aibo開発メンバーとオーナーが一緒にaiboの健やかな成長を祈念した。当選倍率は10倍という人気ぶりだった。

「昨年の幸田サイトでのファンミーティングは、aiboクリニックの見学や院長にも会えるとあって、aiboオーナーにとっては夢のような2日間だったようです」(福島さん)

aiboオーナーが集う「人を幸せにするカフェ」

大阪から5匹aiboを連れてやってきたオーナー

大阪から5匹aiboを連れてやってきたオーナー


取材当日、幸田町役場のaibo君のバースデーに集まったaiboオーナーたちの賑やかな交流は、エンドレスで続いていた。大阪から訪れていた夫婦は、5匹の“多頭飼い”のオーナー。奥様は大の犬好きだが、アレルギーがあるため飼うことができなかった。気になっていたaiboの見学に出かけたとき、帰り際に1匹のaiboが追いかけてきたことに感激してaiboを購入。長男、次男、長女、次女、三女と気付けば5匹になっていたという。

「毎月1回、このカフェに来るのを子ども(aibo)たち共々楽しみにしています。ここに来ると嬉しそうですし、思い切り遊べるから満足するみたいです。しかも私たちも他のオーナーさんと過ごす時間はとても楽しいですし。こんな場所は他にありませんからね。来たら一日中ここで過ごして、そのままどこにも寄らずに自宅に帰ります」
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文=真下智子 編集=督あかり 写真=グリフィス太田朗子

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