国内

2023.06.27 07:30

「1000年資産」でシリコンバレーへ打って出る。小田原の挑戦

Governor's Letter 05 小田原市長 守屋輝彦=左(Forbes JAPAN編集長・藤吉雅春と)

藤吉:小田原×シリコンバレーの交流からどんなアウトプットが生まれるでしょうか。若い力と言えば、移住者だけではなくスタートアップの躍進はいかがでしょうか。
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守屋:先日、福岡市を表敬訪問し、高島宗一郎市長と対話する機会がありました。高島市長が掲げる「スタートアップが日本を変える」という理念には深く共鳴します。小田原にも『ARUYO ODAWARA』というクリエイティブワークスペースがオープンし、移住してきたクリエイターや起業家、スタートアップのメンバーがリアルに対面し、情報を交換する場として機能しています。

藤吉:知と技術と情報を持った「よそ者」が行き交う。小田原という要衝が果たしてきた役割そのものですね。

守屋:2021年にはビズリーチの転職サイトを活用し、副業や兼業を前提とした小田原市の事業コーディネーターの求人を行いました。3名の募集に延べ1000人以上の応募が集まるなど、大きな手応えを感じましたね。民間企業で働く人材のスキルや知見を市政に生かすべく、トライアルを続けます。

ベンチマークしている自治体は?

藤吉:シリコンバレーから副業兼業人材の登用まで、キラリと光る取り組みを語っていただきました。では最後に、市長が注目するまち、ベンチマークしている自治体をお聞かせください。
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守屋:スモール・ジャイアンツを生み出し続ける福岡市ですね。高島市長がリードする中、スタートアップ支援には10年以上の積み重ねがあります。私たちも起業家を応援し続け、ものづくりの志を世界に発信していきたい。

しかし、まちづくりのベンチマークが福岡市かというと、そうではありません。地勢と地政に恵まれ、市民が磨いてきた小田原市がゴールであるべきでしょう。私たちが目指すべき小田原市の未来を描き、まちを創っていくのです。

守屋輝彦◎小田原市長。1966年神奈川県小田原市生まれ。東京電機大学建築学科卒業、東京大学大学院修了(都市工学専攻)。1992年に神奈川県庁入庁。2010年に神奈川県庁を退職し、2011年に神奈川県議会議員選挙で初当選。2期目の再選を経て2019年に小田原市長選挙に当選。現在1期目を務める。

文=佐々木正孝 写真=近藤誠

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