EXILE HIROが考えるアーティストのブランディングと地方創生|クレイ勇輝

第8回のゲストに迎えたのは、EXILEや三代目J SOUL BROTHERS、GENERATIONSなど多くのアーティストグループをマネジメントする「LDH JAPAN」のEXILE HIRO会長。2013年、EXILEを勇退したHIRO会長は、本業であるエンターテインメントの世界を追求するだけでなく、社会貢献、地方創生の活動にも注力していた。エンタメ業界をリードする企業の、新たな取り組みをクレイ勇輝が聞く。



クレイ勇輝(以下、クレイ) 今日は「LDH JAPAN」のオフィスに来ています。LDHは、EXILEを筆頭に多くのアーティストや俳優のマネジメントだけでなく、いまではグループ会社の「expg」がダンスを本格的に学びながら高校卒業資格を取得できる「EXPG高等学院」を運営するなど、エンタメ企業としてひとつの枠に収まらない展開を見せています。

とはいえ何でForbes JAPAN Webが取材するのか、不思議に思われる読者の方もいるかもしれません。実は近年LDHは社会貢献活動を積極的に行っているんです。そのことについて一度HIRO会長からじっくりお話を伺ってみたいと思っていました。

EXILE HIRO(以下、HIRO) そんな入り方されるとむちゃくちゃ緊張します(笑)。

クレイ
 数万人のお客さんを前にパフォーマンスされてきた方なのに(笑)。でもそこにHIROさんの人となりが伝わってきますね。早速、単刀直入にいきますが社会事業、社会貢献活動を始めるきっかけは何だったのでしょうか。
エグザイル ヒロ/1969年生まれ。1990年にZOOのメンバーとしてデビュー。1999年にJ SOUL BROTHERSを結成し、2001年EXILEと改名して再始動。パフォーマー兼リーダーとしてEXILEを国民的グループに押し上げる。2013年にパフォーマーを勇退。現在、LDH WORLDのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとしてクリエイティブを統括し、世界の拠点と連携しエンターテインメント創造に力を注いでいる。エグザイル ヒロ/1969年生まれ。1990年にZOOのメンバーとしてデビュー。1999年にJ SOUL BROTHERSを結成し、2001年EXILEと改名して再始動。パフォーマー兼リーダーとしてEXILEを国民的グループに押し上げる。2013年にパフォーマーを勇退。現在、LDH JAPANの代表取締役会長としてクリエイティブを統括し、新たなエンターテインメントの創造に力を注いでいる。

HIRO LDHは、もともとは小さな会社でしたので、創業当初は社会貢献を考える余裕などありませんでした。

LDHという社名は「LOVE」「DREAM」「HAPPINESS」が由来になっています。

自分たちが夢を抱いて、それを叶えるまでには多くの人の支えや応援をいただいてきました。ひとつひとつ夢を叶えることを繰り返しながら大きくなっていったんです。その道のりでは常に「LOVE」「DREAM」「HAPPINESS」を感じてきたのですが、同時に、応援してくださっているファンの皆さんやライブでお世話になった地域の方々、これまで支えてくださった方に恩返しがしたいという想いが芽生えていきました。

クレイ 実際に活動を始めたのはいつ頃からですか?

HIRO 2010年に全国10ヵ所で初めてのスタジアム・ツアーを開催しました。このライブを開催するタイミングで各地域とコラボし、ラッピング電車を走らせたり商店街でのグッズ販売などをしながらEXILEのお祭りのような雰囲気を創り出したんですね。そのとき、こういった取り組みは地域にも活力を与えられるということに気付いたんです。

社会貢献活動や地方創生を意識するようになったのはその頃からです。

2010年というのは、EXILEの名前が全国の皆さんに知っていただけた時期でもありました。その翌年に東日本大震災が発生したんですね。被災された方のために、僕たちが何か少しでも力になれることがあるなら――という想いから復興支援プロジェクトを立ち上げて、「日本を元気に」をテーマに、僕たちができる地方創生の活動に取り組むことになったんです。

クレイ ひとつひとつのアイディアはどうやって出てきたんですか?

HIRO LDHでは、基本的に何かやりたいことがあれば提案した所属個人やスタッフに任せています。やれることはやってみて、ファンの方々に喜んでいただけたら、さらにアイディアを集めてもっと大きくしてみようと、それぞれの意見を具現化していきました。
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撮影 = 岡田清孝

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