日本酒の輸出量は2022年、過去最多を更新。輸入量が最も多かったのは、米国だった。そして、米国は輸入額では2位となっている(1位は中国)。
その米国の日本酒市場は近年、劇的に変化している。多くの米国人たちが、大学時代に試してみたような頭痛の原因になる悪名高い、安価な日本酒ではなく、本物の、質の高い日本酒に巡り合っている。
米国内の各地にあるワインショップ、またはオンラインショップで購入できる日本酒も、幸いなことに増加している。ただ、問題は日本酒の選び方だ。大半の米国人には、そのための手がかりとなる知識がない。
こうしたなかで、この問題を解決するためのソリューションを提供し始めたのが、日本酒のオンラインショップ、Tippsy(ティプシー)の創業者、伊藤元気CEOだ。Tippsyは3月、顧客が400以上の銘柄の中から好みに合った1本を選ぶのを助けるための、ユニークなオンラインツールを導入した。
伊藤CEOは自社の顧客について、次のように話している。
「初めて日本酒を購入する人が、顧客の大半を占めています。多くは、それ以前に日本食レストランで飲んだことがある銘柄を注文されます。大手のメーカーが生産する、有名な銘柄です」
「……小規模の蔵元の職人たちが造る隠れた名品は、見向きもされないことが多いのです。それがもどかしいですね」
まずはクイズに回答
好みの日本酒を探すためのプロセスは、いたってシンプルだ。まずはいくつかの選択肢の中から1つを選ぶかたちで、質問に答えていく。質問も「お好みのフレーバーは?」「どんな食事に合わせたいですか?」「ご希望の価格帯は?」など、簡単なものばかりだ。クイズに答えていくと、最終的にはこのツールが、その人に合ったお勧めの銘柄を紹介してくれる(それは、初めて聞く名前の酒かもしれない)。価格は20〜200ドルまで(約2800〜2万8000円)、幅広い銘柄の中から選ぶことができる。