スタートアップ

2023.06.29 09:30

n対nの重要性、住友生命は仲間づくりで広範なウェルビーイングの成果を出す

住友生命の上席執行役員で新規ビジネス企画部長である藤本宏樹氏

世代を超えてウェルビーイングの価値を浸透させる

住友生命は2018年4月から、国外の動向にも視野を広げるため米国シリコンバレーに拠点を設けて、専任のスタッフが駐在している。
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「当社のシリコンバレーにいるチームも、Well-Being Xに参加していっしょに何かできないか検討しています。また、スクラムベンチャーズが展開するSmartCityXなど、ほかのオープンイノベーションプログラムともつながりを持てれば、やがてn対nの関係性が自乗を繰り返しながら、互いを結ぶ線が指数関数的に広がると思います。今後『X間のコラボレーション』が発生することも楽しみだ」と藤本氏は話す。

住友生命として、これからウェルビーイングXの中で取り組みたい課題が2つあるという。その1つは美容領域の取り組みだ。

「ヘルスケアは行動変容が起きにくい領域とされています。日本には世界に誇るハイレベルな医療システムがあるので、病気になってからお医者様のところに行けばいいというような考え方も根強くあります。だから予防や未病に対する関心が高まりにくいところもある。でも美容は多くの人にとって高い関心があります。美容整形のようなものだけではなく、例えば歩く姿勢が改善すれば高齢者の方々も生き生きと暮らせたり、メークの仕方1つで気分が一層華やいだりするなど、ウェルビーイングな生活につながっていきます。こうしたきっかけが生まれれば、そこが行動変容の入り口になるのではないか」(藤本氏)
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もう1つは「世代」をテーマとする取り組みだ。近年、Z世代の「保険離れ」が話題になっているが、住友生命のような大手企業でも若い世代へのアプローチに腐心しているという。その切り口にウェルビーイングがなりうると藤本氏は期待する。

「例えばミニ保険でも、PayPayほけんから発売している熱中症保険が好評ですが、これは言わば『保険体験』なんですね。これまで保険に縁遠いと思っていた若い方々に、気軽に入って頂いて、保険の魅力を体験してもらえると、『保険は役に立つものである』という実感を持っていただけます。同じようにウェルビーイングサービスで若い世代とつながることができれば、将来、保険について考える時に、数多くのウェルビーイングのサービスでつながる住友生命を選んでもらえる。そんな未来を目指しています。Well-Being Xの中でパートナーのみなさんとアイデアを出し合うなかで、若い世代を意識した事業共創にも目線を広げたいとい思います」(藤本氏)

住友生命の挑戦はウェルビーイングの未来を変える大きな力になるだろう。

連載:SCRUM FOR THE FUTURE
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編集=安井克至

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