国内

2023.03.27

AI商談解析「アンプトーク」が考える日本に適したセールスイネーブルメント

amptalkの代表取締役社長 猪瀬竜馬氏

コロナ禍の中でオンラインツールを活用するリモートワークが普及した現在、日本国内でも多くの業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、「セールスイネーブルメント」という言葉に関心が集まっている。セールスイネーブルメントとは、企業の営業活動を最適化し、生産効率を高めるために求められるさまざまなノウハウのこと。米国が先行するかたちでブームに火がついた。

セールスイネーブルメントの実現は、最先端のITテクノロジーをツールとして活かすことによって呼び込むこともできる。2019年に創業したamptalk(アンプトーク)は独自開発のAIにより、オンライン商談を自動で書き起こし、分析を加えるセールスイネーブルメントツール「アンプトーク」を提供する。日本の新鋭スタートアップは、Scrum Ventures(スクラムベンチャーズ)をはじめとする投資家から累計4億円の資金調達を達成している。同社代表取締役社長の猪瀬竜馬氏にアンプトークの特徴や、日本におけるセールスイネーブルメントの展望を聞いた。

日本語に高い対応力を備えるアンプトークのAI自動商談解析

アンプトークにはZoom Meetings、Microsoft Teams、Google Meetによるビデオ会議や、IP電話アプリのDialpad、Zoom Phoneを使って録画・録音した商談の内容を、議事録データとして自動で書き起こす機能がある。商談を記録したデータをAI解析にかけると、話題をトピックごと分類したグラフが作成される。商談を可視化できることで、いわゆる「成果を生む営業スキル」を企業の中で共有したり、新人のトレーニングに活用しやすくなる。

さらにアンプトークにより生成されるデータをSalesforce、HubSpot、SlackといったSFA(営業支援ツール)/CRM(顧客関係管理)、コミュニケーション系のツールと連動させれば、企業を成長に導く強力なセールスイネーブルメントツールになる。

アンプトークはビデオ会議やIP電話の議事録データをAIにより生成。自動でSalesforceに書き出しなどができる

アンプトークはビデオ会議やIP電話の議事録データをAIにより生成。自動でSalesforceに書き出しなどができる

アンプトークが搭載するAIの音声認識は精度が高く、サービスをローンチした当初からSNSなどでその使いやすさが話題を呼んでいる。一般に流通している自動書き起こしAIは、固有名詞や業界の専門用語を覚えることが苦手とされているが、アンプトークは任意のキーワードを覚えさせることができる。商談の中で頻出する固有名詞、専門用語は事前に登録しておけば言葉を正確に拾い、精度の高いデータ解析にもつながる。


amptalkが独自に開発した「話者分離のAI」も完成度が高い。ビデオ会議などの参加者の声を正確に聞き分けられることから、見やすく整理された議事録が生成される。

敵をつくらず、仲間を増やす

先行する企業による競争も激しい「AIによる議事録作成」の市場において、amptalkが短期間のあいだに独自のポジションを獲得できた理由は2つあると猪瀬氏は語る。
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編集=安井克至

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