他にも生活習慣病患者向けの食事指導プログラム「N・Partner(ニューパートナー)」を展開する、スタートアップ企業のタウンドクターは、住友生命とのオープンイノベーションにより、特定の疾病罹患者向け食事コーチングの提供を目指し共同調査を進めている。
「それぞれのオープンイノベーションのパートナーとともに、プログラムの1年目はユーザーに必要とされるサービスの形を探ってきました。2年目は具体的なサービスづくりのための実証実験を進める段階と位置づけています。現在のところ順調に進んでいます」(藤本氏)
2年目のWell-Being Xが掲げる目標
住友生命の参加を得たことで、Well-Being Xのオープン・イノーベション・プログラムに「n対n」の関係性が広がり活性化している。スクラムスタジオの渡部は「藤本氏が率いる新規ビジネス企画部がハブの役割を果たし、同社の各事業部の取り組みをつないでくれた。その『巻き込む力』とスピード感に圧倒された」と振り返る。そして渡部はこう続ける。「ウェルビーイングに関わるビジネスを作ろうとすると、従来とは異なる切り口から物事を発想する必要がある。例えば今までのウェルネス的なアプローチからは、栄養に偏りのある食物を摂ることを避けて、健康管理をしっかりと行うべきという考え方だった。ウェルビーイング的なアプローチを採る場合、栄養に偏りがある食物でも、それを食べることを『楽しむ』ことを無理やり止めさせることは最適解にならない。提供する相手の状態を見て、対象に最も合ったサービスを考える視点を持つこと、つまりは『関連づける力』が大切だ」(渡部)
スクラムスタジオの上松は、2年目を迎えたWell-Being Xの課題を次のように捉える。
Well-Being Xを取材するスクラムスタジオの渡部優也、上松真也、今泉孝裕(左から)
「2年目は住友生命が関わるものも含めて、これからいくつかのプログラムは成果を実装化する段階をサポートしていきたい。当社が強みとするグローバルスタートアップとのオープンイノベーションの場を提供するところにも注力したい」