加齢と睡眠の研究、いま注目のテーマは「性生活・介護・運動」

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米国では、成人の3人に1人以上が睡眠不足だとされている。非常に懸念される状況だとして、米疾病対策センター(CDC)は、これは公衆衛生の観点から見れば「流行病」だと表現している。

世界がますます忙しくなるなか、多くの人が質の高い睡眠を十分に取ることができなくなっている。睡眠不足は、私たちの健康にとって危険なものだ。そして、日常の生活と活動に影響を及ぼし得るものだ。十分な睡眠を取っていないことは、不眠症や睡眠時無呼吸症候群など、睡眠に関連したその他の健康問題にもつながる。

全米睡眠財団のデータによると、成人には1日最低7時間の睡眠が必要とされる。平日に取れる睡眠時間がこの理想の時間よりも30分短くなれば、糖尿病や肥満につながる可能性があるという。

私たちに必要な「より良い睡眠と休息への投資」において、まず必要なのは、睡眠効率(SE、就床時間における睡眠時間の割合)を引き上げることだ。SEが低いことは、深い眠りについている時間が短いということを意味し、休息の質に影響を及ぼす。

そのSEは、小児期から未成年の間はほぼ一定になっている。だが、加齢とともに大幅に減少する。健康的な睡眠時間を確保することは、私たちのウェルビーイングにとって非常に重要なことだ。そこで「加齢」というレンズを通して見た睡眠の研究において、最近特に注目されている3つのテーマを紹介する。 

1. セクシャルヘルス

2023年初めに発表された研究結果によると、性的活動は睡眠の質を向上させるとみられる。年齢を重ねていくなかでも、パートナーとの親密さを失わないよう、あるいは取り戻すよう努めること、満ち足りた性生活を維持しようとすることは、より良い睡眠のためにも欠かせないことだという。

ただ、高齢者が抱える心身の問題は、慢性痛や性欲の減退を含む慢性症状につながる。そして、そうした症状はセクシャルヘルスに影響を及ぼすものだ。こうした問題については、専門家に相談することが推奨されている。
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編集=木内涼子

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