アート

2023.06.15 08:30

1年半で600点収集 「共有する」アートコレクター植島幹九郎の想い

UESHIMA COLLECTIONオーナー 植島幹九郎(写真=小田俊一)

植島:ギャラリーで展示された作品が売れても、その多くがそのまま倉庫で眠ってしまうと聞きます。僕がコレクションを共有するのは、「アートは見られてこそ価値があるもの」だと思うからです。
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美術作品を共有する場所といえば主に美術館ですが、日本の美術館では最新の作品をタイムリーに購入して展示することがなかなか難しい。フレキシブルに対応できるプライベートコレクションだからこそ、同時代の作品を見てもらう機会がつくれます。

現在、北参道のギャラリースペース(限定公開)と自社オフィスに250点ほどを飾っていますが、広く一般の方にも見てもらえるようにミュージアム開設の準備を進めています。

一方、場所の制約がないオンラインも活用し、UESHIMA COLLECTIONのウェブサイトインスタグラムでは、日英中の3カ国語の作品・作家紹介をつけてコレクションを公開しています。美術館に作品を貸し出すこともあります。
UESHIMA COLLECTIONのギャラリースペース。写真右奥のブルーの作品は、山口暦がこの場に合わせて制作したもの(写真=小田俊一)

UESHIMA COLLECTIONのギャラリースペース。写真右奥のブルーの作品は、山口歴がこの場に合わせて制作したもの(写真=小田俊一)


深井:同時代の作品を共有してくださるのは非常にありがたいことで、たとえば日本の一般的なコマーシャルギャラリーで3週間の個展を開催すると、来場者は多くても数百人程度。それだけの人にしか見られていないうえ、先ほどおっしゃったように、購入後の作品は私蔵されてなかなか表には出てきません。
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また、海外の同時代の作家の作品に関して言えば、日本に来ること自体が非常に限られています。それを間近に見られるというのは、コレクターには購入の、一般の方には鑑賞の機会となることはもちろん、日本で活動をするアーティストにとっても良い刺激になるわけです。そういった点でも、植島さんは日本の現代アートシーンのアップデートに大きく貢献されている。

海外ではコレクターが社会やアートシーンに与えるインパクトの強さが広く認知されているいっぽうで、日本の現代アート界隈では、プレイヤーとしてそこまで踏み込むコレクターはまだ少ない。植島さんはそのあたりに意識を高くお持ちだとお見受けしました。

植島:使命感のようなものはありますね。社会課題やニーズがあれば、それに対応するサービスやソリューションの提供するのが事業です。同じように、アートの分野でも、自分が社会に還元できるものがあるのなら、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

アートが生活にもたらす豊かさ

深井:新しくオープンする予定の展示スペースはどういった構想ですか?
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インタビュー=深井厚志 文=菊地七海 編集=鈴木奈央

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#アートを「ひらく」人たち

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