もちろん直感的に決められる場合もある。しかし、そうわかりやすいものばかりではない。時にその判断だけで数日かけることもある。
そういった経験を何度か繰り返した後、当たり前すぎる一つの発見に至った。「判断の軸をあらかじめ明確にしておく」ということだ。どういうプロジェクトであればコラボレーションするか、今までの成功や失敗を踏まえて、条件を7つに言語化した。こうしてから、悩む時間は格段に減った。
皆さんもこのように日々、さまざまな意思決定を迫られていることだろう。
「意思決定のルール」とは?
これまでのコラムで、一口に「意思決定」と言っても幾つかの種類に分かれること、そして、中でも重要なのは「ルールの意思決定」であることを伝えてきた。一度腰を据えて、意思決定のルールを決めておけば、後はそのルールが自動的に意思決定してくれるのだ。
しかし、ここで言う「ルール」とは何か? 何を決めることなのだろうか? それが今回のテーマだ。
答えから言えば、ルールとは、以下3つのことを指す。
Where:どこへ行こうとしているのか?
Why:なぜ、そこへ行こうとしているのか?
How:どういう進み方を良しとするのか?
これを「ルールの3点セット」と呼ぶこととしよう。
「Where」は、ビジョンという言葉でも言い換えられるかもしれない。会社がどこへ行こうとしているのか、その行き先をビジョンという言葉の通り、可能な限り目に見える状態にしたものだ。
「Why」は、パーパスやミッションと換言できるかもしれない。なぜ、私たちなのか? なぜ、そこじゃなくてはダメなのか? 行き先(Where)を一箇所に絞るのはとても難しいことだ。魅力的な行き先はたくさんあるからだ。しかし、このWhyを明確にすることによって初めて、私たちは行き先に説得力を持つことができる。
そして「How」は、バリューや行動規範という言葉に近いだろう。