意思決定でムダに迷わないために。決めておくべき「ルール」の3点セット

意思決定のルール 3点セット(イラスト=荒木博行)

起業して5年、とても悩ましいことがある。新しくいただいた仕事のオファーを引き受けるべきかどうか、という判断だ。

もちろん直感的に決められる場合もある。しかし、そうわかりやすいものばかりではない。時にその判断だけで数日かけることもある。

そういった経験を何度か繰り返した後、当たり前すぎる一つの発見に至った。「判断の軸をあらかじめ明確にしておく」ということだ。どういうプロジェクトであればコラボレーションするか、今までの成功や失敗を踏まえて、条件を7つに言語化した。こうしてから、悩む時間は格段に減った。

皆さんもこのように日々、さまざまな意思決定を迫られていることだろう。

「意思決定のルール」とは?

これまでのコラムで、一口に「意思決定」と言っても幾つかの種類に分かれること、そして、中でも重要なのは「ルールの意思決定」であることを伝えてきた。

一度腰を据えて、意思決定のルールを決めておけば、後はそのルールが自動的に意思決定してくれるのだ。

しかし、ここで言う「ルール」とは何か? 何を決めることなのだろうか? それが今回のテーマだ。
【リーダーの意思決定の3つのカテゴリー】

【リーダーの意思決定の3つのカテゴリー】


答えから言えば、ルールとは、以下3つのことを指す。

Where:どこへ行こうとしているのか?
Why:なぜ、そこへ行こうとしているのか?
How:どういう進み方を良しとするのか?

これを「ルールの3点セット」と呼ぶこととしよう。

「Where」は、ビジョンという言葉でも言い換えられるかもしれない。会社がどこへ行こうとしているのか、その行き先をビジョンという言葉の通り、可能な限り目に見える状態にしたものだ。

「Why」は、パーパスやミッションと換言できるかもしれない。なぜ、私たちなのか? なぜ、そこじゃなくてはダメなのか? 行き先(Where)を一箇所に絞るのはとても難しいことだ。魅力的な行き先はたくさんあるからだ。しかし、このWhyを明確にすることによって初めて、私たちは行き先に説得力を持つことができる。

そして「How」は、バリューや行動規範という言葉に近いだろう。
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文・イラスト=荒木博行 編集=宇藤智子

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