・2023年3月21日、PXMプラットフォームを提供するSalsifyは、Salsifyの製品情報管理(PIM)システムに保存されている製品情報に生成AIを統合することで、ブランド、小売企業、流通企業が製品コンテンツの作成を迅速化することを目的とした「PXM OpenAIアクセラレータ」の開始を発表しました。同社は、この生成AIが企業のコストと時間を削減し、デジタル棚に沿って最高の体験を提供できるようになることを期待しています。
生成AIの進化が生み出す新たなトレンド
生成AIの潜在的な利点を認識する企業が増えるにつれ、特定のニーズに合わせたカスタムAIモデルへの需要が高まることが予想されます。その結果、より多くの企業が独自の生成AIモデルを開発し、既存のモデルを統合して運用するようになる可能性があります。また、LLM(大規模言語モデル)は継続的に改良され、発展していくと思われます。LLMがより洗練され、効率的になるにつれて、トレーニングに必要な時間やリソースが減り、あらゆる規模の企業にとってより利用しやすくなると思われます。
また、特定の業界やユースケース向けに開発された、さまざまな入出力形式を処理できるマルチモーダル言語モデル(GPT-4など)が登場し、生成AIの応用可能性はさらに高まることが予想されます。
GPT-4がサポートするマルチモーダル出力
出典:OpenAI
2023年3月、米国のソフトウェア会社Databricksは、EleutherAIが公開しているLLMであるGPT-Jをベースに構築した独自の生成AIツール「Dolly」を発表しました。
Databricksによれば、DollyはChatGPTと比べてより少ないトレーニングデータセットを用いて人間のやり取りを模倣し、よりシンプルなLLMによってChatGPTのような対話性を企業に浸透させようとしています。
Databricksは、Dollyの成功は、人間との効果的なコミュニケーションの鍵が、大規模なデータセットやハードウェア集約型の学習モデルの使用のみにあるのではなく、そのようなコミュニケーションを促進するためのテクノロジーにあることを示しているといいます。
しかし、その潜在的なメリットにもかかわらず、学習データの偏りやサイバーセキュリティの脅威など、生成AIにはリスクも存在します(詳細は、次のセクションで説明します)。
そのため、生成AIモデルの透明性と説明責任を向上させるための継続的な取り組みや、技術の責任と倫理的な使用の重視が期待されます。