ChatGPTなどの代替手段の台頭は、ブランドや小売企業に選択肢をもたらす
ChatGPTは、OpenAIのGPT-3.5構造をベースにしたシングルモーダル(テキストを唯一の入出力フォーマットとして受け取る)です。GPT-3(2020年発売)、GPT-2(2019年発売)、GPT-1(2018年発売)を引き継いだGPT-3.5は、2023年3月14日に、より強力なGPT-4へと進化しました。GPT-4はChatGPT Plusを通じて限定的な形で公開されており、OpenAIによると、動画や画像形式を、入力と出力の両方に活用することで、マルチモーダルな機能性を持っているといいます。
AI動画会社RunwayのCEOであるSiqi Chen氏によると、GPT-5はGPT-4よりもさらに強力で、より人間に近いとされ、2023年末に発売される予定であるとされ、テクノロジー業界では大きな注目を集めています。
しかし、GPT-5の開発に関する公式情報は今のところ発表されていません。
ChatGPTが注目される中、テクノロジー企業は独自のChatGPT版を立ち上げ、AI領域での競争が激化しています。これらのチャットボットは一般的にNLPやMLを使用してユーザーの問い合わせを理解し回答を生成することで、顧客サービスの向上やコアなビジネスプロセスの合理化を実現しています。
ブランドや小売企業は、あらゆる選択肢を評価し、自社のニーズに最も適したソリューションを特定する必要があるでしょう。
図3では、生成型AIチャットボットに関連した動きを時系列で紹介します。
図3. 生成AIチャットボットの台頭
出典:企業ウェブサイト
OpenAIのGPT-4、GoogleのBard、BaiduのErnie Botは、生成AI技術のフロントランナーとして注目されています。図4ではこれらの製品を比較し、一覧にしています。
図4. GPT-4、Bard、Ernie Botの機能比較
出典:企業ウェブサイト/Coresight Research
中国のEコマース大手であるAlibabaとJD.comは、中国における生成AIの分野でBaiduに対抗しようと、ChatGPTに代わる独自のシステムを開発しようとしていることが報じられています。
Alibabaはまだ詳細を明らかにしていませんが、JD.comは2023年2月10日に「ChatJD」を発表しました。これはChatGPTの産業版で、特に小売企業や金融業界での企業利用をターゲットにしています。
企業はChatJDを利用して、Eコマース、物流、決済などの分野におけるJD.comの経験を活かし、コンテンツ(マーケティングコピーや商品概要など)の生成、チャットボットのパワーアップ、ユーザーの意思把握ができるといいます。
中国の高級ECプラットフォームであるSecoo Groupは、2つのプラットフォームを使っているという点でデュアルアプローチを採用しています。同社は2023年2月14日にBaiduのErnie Botの最初のパートナーの1つとなり、OpenAIのGPT-4のリリース後に利用を申請しました(この結果についてはまだ情報が出ていません)。
今後は、同プラットフォームを利用する加盟店や消費者体験の最適化のために、どのように技術を組み合わせていくのかが注目されています。