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2023.05.25 10:00

ChatGPTと生成AIについて、小売企業が知っておくべき5つのこと

田中友梨

ChatGPTのメリットを認識する大手小売企業

ChatGPTは、人間のフィードバックによるNLP、文脈の理解、強化学習を促進するアルゴリズムを搭載しています。これらの機能により、小売企業にとって、ChatGPTはコンテンツの自動生成機能を強化する上で望ましい技術となっています。

ブランドや小売企業がChatGPTを活用することで、ビジネス上のメリットを得ることができる5つの方法を紹介します:

・社内の分析、調査の促進:ChatGPTは、複数の情報ソースを同時に集約および分析することができるため、より迅速にビジネス上の意思決定を行うことができます。

・パーソナライズされた回答の作成:ChatGPTは、NLP機能により、買い物客からの問い合わせやフィードバックに合わせた回答を提供することができ、より良い顧客体験を提供し、顧客満足度を高め、最終的に売上と収益の向上につなげることができます。

・充実した商品説明:小売企業はChatGPTを使用することで、商品の仕様、特徴、利点を含む詳細で有益な紹介を作成することができます。これにより、消費者は十分な情報を得た上で購入の意思決定を行うことができ、コンバージョンの向上と返品の可能性の低減につなげることができます。

・コンテンツ制作の拡張性:ChatGPTは、アートワークを含む大量のコンテンツを迅速に生成できるため、コンテンツ制作を拡張することができます。これは、幅広い製品や多くの販売チャネルを持つ小売企業にとって特に有効です。

・新しいマーケティング戦略の検証:ChatGPTは、メッセージングや商品のポジショニングなど、新しいマーケティング戦略やアイデアの検証にも活用することができます。小売企業は、コンテンツを素早く作成し、消費者にテストすることで、何が有効で何が有効でないかという貴重な洞察を得ることができ、マーケティング戦略の改善に生かすことができます。

ChatGPTでの会話例
提供:ChatGPT

多くの大手ブランドや小売企業が、ChatGPTを利用してコンテンツ生成を自動化し、コンテンツ制作に関わる労力やコストを最小限に抑えようとしています。

・Coca-Colaは、OpenAIおよびBain & Companyと提携し、パーソナライズされた広告コピー、画像、メッセージの作成を行っています。同社のCEOであるJames Quincey氏は、生成AI技術によってマーケティングを強化できる可能性があると考えており、事業運営と能力を向上させる方法を模索していると述べています。

・フランスのコンビニエンスストアチェーンであるCarrefourでは、ChatGPTと生成AIを使用して、より健康的な食事や安価な購入に関するビデオを制作し、顧客へのサービス向上と手動によるコンテンツ制作のコスト削減を目指しています。

・薬局チェーンのCVSは、ChatGPTを利用して、服薬リマインダーの提供、処方薬に関する質問への回答、健康やウェルネスに関する情報を顧客に提供するための試験運用を行っています。また、Krogerは、キャンペーンやお得な情報を提供する同社のバーチャルボットであるChefbotの、自然言語による会話形式を改善するためにChatGPTを活用しています。

KrogerのChefbot
出典:Kroger

今後もより多くのブランドや小売企業が、パーソナライズされたコンテンツを、大規模かつ迅速に生成するためにChatGPTを活用することが期待されています。
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文=RxR Innovation Initiative

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