ソリューションプロバイダーは、生成AIを統合して、提供サービスと顧客サービスの合理化を実現することができる
最近では大手テクノロジー企業が、クライアント企業への顧客サービス向上の提供や、企業システムをより簡単に統合し、ビジネスの効率と生産性を高めるために、提供する製品全体に生成AI機能を追加する計画を発表しています。・2023年3月7日、Salesforceは、TrailblazerDX開発者会議で、生成AIを組み込んだCRM(顧客関係管理)技術である「Einstein GPT」の発売を発表しました。この生成AIはOpenAIの技術を統合し、セールス、サービス、マーケティング、コマース、ITの各分野のユーザーを支援します。また、Einstein GPTにより、SalesforceのパートナーはSalesforce Sales Cloudからリアルタイムのデータを引き出すことができるようになります。Einstein GPTは、記事、販売機会の要約、電子メール、テキストメッセージ、ウェブページ、マーケティングコピーによるコミュニケーションなどのドキュメントを自動で作成でき、簡単にマーケティング活動を行うことができるようになります。
・2023年3月14日、Googleは、検索、マップ、Gmail、Docsなどのワークスペースに、生成AI機能を追加することを発表しました。同社が選んだテスターにDocsとGmailでAIライティング機能をテストさせ、今後は消費者や企業により広くツールを順次提供する予定です。同社はまた、開発者がアプリやワークフローに組み込めるように、Pathways Language Model(PaLM)へのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)レベルのアクセスを提供することを約束しています。
・2023年3月16日に開催されたErnie Botカンファレンスで、Baiduは、検索エンジンを皮切りに既存の全事業にErnie Botを統合し、情報の生成・提示方法を再構築する計画(時期は未定)を発表しました。また、Ernie Botと統合したクラウドサービスを開始する計画も発表しています。
・2023年3月18日、Microsoftは、Microsoft 365アプリのユーザーの生産性と創造性の向上を支援する、生成AIを搭載した職場生産性ソリューション「Copilot」の提供を開始することを発表しました。新たに開始されたこのビジネスチャット機能により、ユーザーは自身で書いたコマンドでデータを引き出したり、アプリケーション間でタスクを実行することができます。同社のモダンワーク&ビジネスアプリケーション担当コーポレート副社長のJared Spataro氏は、Copilotによって、執筆、ソーシング、編集にかかる時間を短縮できることが期待されると述べています。
MicrosoftのCopilotインターフェイス
出典:Microsoft
なお、上記のような大手テクノロジー企業の後を追うように、生成AIを自社製品に統合する企業も出てきています:
・製品体験管理(PXM)プラットフォームのDigital Wave Technologyは、2023年1月に開催された全米小売企業連合主催のカンファレンスであるNRF 2023で、同社のAIプラットフォーム「Maestro」を紹介しました。同プラットフォームでは、生成AIを使用して、顧客の嗜好や行動に基づいてパーソナライズされた商品推奨を行います。同社CEOのLori Schafer氏は、Maestro AIは商品チームやデジタルチームの手作業を減らし、ブランドや小売企業が素晴らしいショッピング体験を提供しコンバージョンを高めることをより迅速かつ容易にするのに役立つことができると述べています。