八村選手について、解説者の大西玲央さんが「学生時代から代表経験などの大舞台での経験が多いので、今回のプレーオフでも落ち着いたプレーで活躍できている」とお話しされていて、選手の背景や性格を理解できるのもありがたい点だと感じました。
もうひとつは戦術についての解説。ウォリアーズがレイカーズのアンソニー・デイビスをゴール下から外に引きずり出す戦術を行い、アンソニー・デイビスがゴール下からいなくなったタイミングでゴール下にいる選手にパスを出すことを徹底していて、ゴール下の番人をチームプレーで封じていました。この戦術も、解説があるからこそより理解を深めることができました。
そして戦術で大切になってくるのが「タイムアウト」です。タイムアウトとは、試合の進行を一時中断し、作戦の練り直しや選手たちの疲労回復を行う制度です。NBAでは各チーム7回ずつこのタイムアウトを行える資格があります。このタイムアウトの使い所も試合を楽しむには非常に重要となります。ここからは実際の試合をもとに見ていきましょう。全てお話しするとボリューム満点になりすぎるので2つに絞りました。
まずは第1クォーター 9:46 でウォリアーズがとったタイムアウト。ここでは試合の流れがレイカーズに傾きつつある場面でした。こういった流れが悪くなったタイミングでタイムアウトはとられることが多いです。これを知っていると監督の戦術などより楽しめると思います。タイムアウト明けはさすがの名将スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)でした。1度のタイムアウトでウォリアーズは見事な修正を行い、レイカーズから得点を重ねました。
2つ目が第3クォーター8:57 でのタイムアウト。こちらはレイカーズが逆転したタイミングで、ウォリアーズがタイムアウトをコールしました。やはり試合の流れが悪くなったタイミングです。タイムアウト後、ドレイモンド・グリーンがファールをもらいフリースローを獲得しました。相手の動きにいかに対応していくかがバスケットボールの見どころでもあります。
ここから一気にウォリアーズのペースに。連続でウォリアーズが得点し、59-66とレイカーズを突き放しました。しかし、この試合のレイカーズはそれまで出番のなかったロニー・ウォーカー4世が大活躍し、試合は101-104でレイカーズの勝利でした!その日のヒーローが突如生まれてくるのも、プレーオフの醍醐味ですね。