アート

2023.05.11

RTFKTベンワ・パゴットに聞く新時代のアートとリテール

RTFKT × NIKE

創業から3年弱でNIKEの買収や、LVMHコラボ、村上隆/Kaikai Kikiとの協業など飛竜乗雲の勢いで突き進むRTFKT(アーティファクト)ベンワ・パゴットに3年目の取材を申し込んだ。2021年はNFTの可能性を、2022年は日本人アーティストの可能性を当コラムを通して伝えてくれた。今年はどのような未来の可能性を見せてくれるのか?

Web3村を飛び出し真の勇者を目指す

ただ、まず聞かなければならないのは、年始のツイートの真意だ。

2023年は、「Web3」と「NFT」という言葉が忘れられるか、あるいは使用を躊躇する年になるのではないか?

いままでWeb3、 NFT文脈で彼を取材してきている私としては躊躇せざるを得ない発言だ。この発言はどこから生まれてきたのだろうか?

「伝えたかったのは、2023年は過去2年間と全く違う年になるだろう、ということ。過去2年間は悪いことや詐欺をやらない限りはNFT/Web3関連プロジェクトの誰もが成功することができた年でした。ゲームで言うところのイージーモードの状態だったと思っています。ただ、今年は3万人弱がTwitterで語りあう”Web3村”から飛び出て、自分たちの価値を既存市場に伝えていくことができるのか?その勝負が始まる年だと思っています。

自分たちが作っているブランドが、市場に対して革新的な体験を提供できているかどうか?それをしっかりと見定めて行くべきです。NFTは市場価値を提供する前に、NFTという言葉だけが独り歩きをし、プレスであまりにも多く使われて過ぎてしまいました。」

確かに、スターバックスの「Starbucks Odyssey」も技術としてはNFTを使っているが、彼らのサービスサイトにはNFTという言葉は出てきていない。

「RTFKTが戦略を手伝ったナイキのプロジェクトも、NFTはどこにも言及されていません。これは2022年までとは全く違う流れです。

私にとって過去2年は最高の年でした。ゼロから始めたブランドが大きな話題を作り、熱狂を生み出していく、その熱量を肌で感じました。そして、RTFKTからヒントを得てWeb3、デジタル戦略を進めるブランドも多く、市場に大きな影響を与えていることも実感できました。

今までは私達も小さなWeb3村の一部でした。ですが、3万人の村から飛び出して真のインパクトを生み出していくのが2023年以降の挑戦だと思っています。」

※参考:Nansen調査データ

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