教育

2023.04.27

選出! 子どもたちのウェルビーイングを実現する変革者たち30

瀬戸SOLAN小学校では、タブレットを用いて「探究型思考」を学ぶ

新渡戸文化学園
先進的な「探究学習×働き方改革」

東京都中野区の学校法人・新渡戸文化学園は1927年設立。20年度から現職教員の副業・兼業などを推奨する「二刀流教員」制度を打ち出し、小中高アフタースクール教員の52%が二刀流を実践。学外の人材登用も積極的だ。また、「Happiness Creator」という最上位目標を掲げ、中・高では毎週水曜日は一日中探究学習のカリキュラムを行うなど独自の取り組みをしている。

POINT 「学俗接近(学校と社会が接点を持つこと)」という新渡戸稲造の方針を現代版にアップデート。生徒の探究学習、先生の働き方改革、どちらも先進的な取り組みを行う革新校だ。

瀬戸SOLAN小学校
グローバルシチズンシップの育成

愛知県瀬戸市にある瀬戸SOLAN小学校は2021年開校。ICT教育推進プログラムを提供する教育システムによる株式会社立小学校、23年3月学校法人に。グローバルシチズンシップの育成、子どもの個性の尊重、感じて、考える力の育成を建学の精神の柱にし、タブレットを使ったICT活用による「探究型思考」を学ぶカリキュラムが特徴。授業の約4割を英語で行う。

POINT グローバルな教員や4学期制や授業時間なども内容によって異なる点、英語とICT活用を必須のツールとした「探究学習」をグローバルシチズンシップ育成に重要だと注力している点が特徴だ。

LCA国際小学校

国認可のバイリンガルスクール

相模原市にあるLCA国際小学校は、日本初の株式会社が運営する小学校。2008年に文部科学省から認可を受けた。授業は日本語と英語の両方で行い、1〜3年生は国語以外すべての授業を英語で行っている。英語アクティブイマージョン教育を実践し、日本の文化・教養をベースとした「日本人としての国際人」を育てていく環境を提供している。

POINT 日本初の株式会社立小学校で、学校生活の基本は英語が用いられるなど、イマージョン教育など先駆的な教育挑戦をし続け、個性を生かす学びの環境づくりに長年取り組んできた。

上越教育大学附属中学校
クリエイティブなICT教育

新潟県上越市にある上越教育大学附属中学校は2016年からは本格的に1人1台のiPad活用を進め、ICT活用を通して「AI時代を主体的・共創的に生き抜く生徒の育成」を「自己調整」「創造性」「人間性」に重きを置いて進める。生徒同士の協働学習をはじめ、先進的な授業を実践。同校は1988年から文部省研究指定校として学校教育における利活用について研究。

POINT ICT教育の長い歴史があり、1人1台iPadを活用して、中学でもトップクラスのクリエィティブな授業を実践し、生徒同士が調べ教え合う共同制作・課題解決をするように学びも変化した。

青翔開智中学校・高等学校
デザイン思考探究スキルラーニング

鳥取県鳥取市にある学校法人鶏鳴学園青翔開智中学校・高等学校は2014年開校。デザイン思考を取り入れた独自授業「探究基礎」を行うカリキュラムを持つ。開校時から1人1台のiPad活用を実現し、AIやデータ分析も授業に盛り込む。校舎の設計コンセプトが「図書館の中にある学校」。文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール」指定校でもある。

POINT 批判的思考や論理的思考などを探究の質を高める「ジェネリックスキル」と定義して、このスキルを育む「探究スキルラーニング」を全教科の授業内で開発・実践するようにしている点もユニークだ。
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文=Forbes JAPAN フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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