「対立を解く」が鍵? 持続可能経営のための新しい人事の形とは

ラーニングエッジ代表取締役 清水康一朗

素晴らしい人財の採用には先行投資が必要!

人手不足が叫ばれている現在、優秀な人財を採用したい経営者が多いことと思います。しかしながら、残念なことに優秀な人財は、いまの日本では争奪戦です。だからこそ、今いるメンバーをいかに教育&進化させるか、そして、優秀な人財が一緒に働きたいと思ってもらえるかが、会社の命運をにぎる時代に突入したと、私は日々実感しています。

これまで、組織として「共通ゴール」を言語化し、共有していく重要性をお伝えしましたが、最初はイメージしづらいと感じるかもしれません。人事制度もないのに、いきなり「給料アップだ」とは言いづらいかもしれません。ですから最初は簡単なことからで構わないのです。例え失敗してもいいのです!まずは、チャレンジすることが大切。チャレンジして上手くいった手応えと、失敗した体験から、次の目指す目標や打ち手が見えてくるからです。何より社員との「絆」は、一発逆転を狙った施策で生まれるものではないからです。

弊社は、海外ビジネスにも取り組んでいますが、社員にグローバルな体験をさせて視野を広げるための教育と実践も同時に行っています。昨年度からは、弊社初となったクロアチア人スタッフも採用しました。新卒メンバーを海外に連れて行ったりもしています。

その結果、それまでいた従業員の意識や、ポテンシャルも上がったように思います。一方、日本人採用は、次々と優秀な日本人が入社していますが、その多くのケースが、社内からの紹介によるリファーラル採用です。人事について、手前味噌ながら、私の経営ポリシーは、ずれていなかったと再確認できたわけですが、いい人間関係を構築していたならば、いい人財が入社し、ひとりが5人分、10人分の仕事をスマートにやり切ってくれる「精鋭集団」が生まれます。

かなりの先行投資をしていますが、これは必ず大きく返ってくると実感があります。つまり、「人」とは経営者にとって費用ではなく投資対象であり、「人事」とは経営の基盤となる会社の心臓部だと思って取り組む必要性が、今より一層高まってきている、と感じる今日この頃です。

文=中村麻美

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