徳島:会社やスタートアップについては、成功の定義は比較的はっきりしています。でも、会社の成功イコール人としての成功ではないというのが僕の考え方です。人としての成功は、成長を重ねて、死ぬときに「いい人生だった」と言えるかどうか。仕事はそのためのプロセスであるべきだと私は思っています。だからこそ、私は「社会にインパクトを残せた」と仲間に思ってもらえる会社にしたいし、もちろん自分も「起業してよかった」と思いたい。その一心で、いまのスタートアップを経営しています。
松本:大切なのはスナップショット的にどこかを切り取るのではなく、物事を連続性で見ていくことですよね。いまはまだ「成功した」「失敗した」といった話をよく耳にしますが、これからは短期的な思考で物事を語ること自体が減っていくのではないかと思います。
徳島 泰◎大学入学後、ベンチャー企業に入社。25歳で独立しウェブシステムとハードウェア系企業を立ち上げた後、多摩美術大学を経て大手医療機器メーカーの工業デザイナーに。34歳で青年海外協力隊員としてフィリピンへ。帰国後、慶應義塾大学大学院に進学し2017年に修了。最優秀修士論文に送られる相磯賞受賞。18年にインスタリムを創業。
松本紹圭◎世界経済フォーラムYoung Global Leaders Alumni、CivilSocietyメンバー。武蔵野大学客員教授。東京大学哲学科卒、インド商科大学院MBA。『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は世界17カ国語以上で翻訳出版。翻訳書に『グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか』(あすなろ書房)。
鶴田さくら◎音楽家。7年にわたるアメリカ生活を終え、2017年に帰国。東京を拠点に作曲、ライブやDJ活動を展開しながら、国内外の大学や専門学校にて特別講師として登壇するなど、教育分野にも熱心に取り組んでいる。22年11月に1st ALBUM『C/O』がリリースされ、一層の飛躍が期待される。