今こそブランドは自社の「サステナビリティ」について正直になるときだ

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何年も前から、美容からハイテク、ファッションに至るまで、あらゆる業界が「環境に優しい」というメッセージを掲げてきた。

しかし、顧客はこれらサステナビリティ(持続可能性)の主張を見抜き始めている。サステナブルなブランドや製品を支持したいのに、混乱や欺瞞によって、企業が本当に環境に優しいのかどうか疑問を抱くようになったのだ。

すばらしい顧客体験を提供するためには、サステナビリティであることを優先し、それを正直に伝えることが重要だ。

顧客はサステナビリティを求めているが、代わりにグリーンウォッシュを受けてしまっている。

かつては、米国の消費者の60%以上が「サステナブルなパッケージの製品にもっとお金を払う」と答えるなど、サステナビリティは企業にとって売上アップのための金字塔だった。

しかし、顧客は多くの企業の主張を見抜き、実は彼らがいうほど環境に優しくないということを理解し始めている。米国の成人のほぼ4分の1(23%)は、企業のサステナビリティに関する主張を信用していない。調査によると、環境に優しいという主張の42%が誇張、虚偽、または欺瞞に満ちていることがわかった。

その多くは、企業がサステナビリティを主張する際に、その裏づけとなる目立った努力をせずに、グリーンウォッシュを行うことに起因している。グリーンウォッシュは、曖昧な主張や誤解を招くラベルなど、さまざまなかたちで行われる。

グリーンウォッシュは、ブランドの評判を下げ、顧客の体験に悪影響を与え、ACSI(米国顧客満足度指数)の顧客満足度スコアを低下させる。つまり、顧客はブランドが本物のサステナビリティを実践することを望んでいるのであって、見栄を張ったり、裏づけのないラベルを製品に貼ったりすることを望んでいるわけではないのだ。

サステイナビリティに対して誠実なブランド

このような混乱の中、顧客はブランドに対し、サステナビリティに対して誠実であることを望んでいる。そして、それはよく、静かに仕事を行うことを意味する。

ブランドによっては、サステナビリティのラベルから離れることを意味する場合もあるだろう。ファッションブランドのGanni(ガニー)は、米国とヨーロッパに数十の店舗と卸売業者を展開している。最新のコレクションの97%が気候変動に対応したものであるにもかかわらず、同社はサステナブルブランドであることを主張したことはない。創業者たちは、ファッションはその性質上、持続可能なものではなく、消費を促すものであると認識している。そのため、Ganniはサステイナブルというラベルは貼っていないが、サステナブルファッションのリーダーだ。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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