中道:さて、これからの話です。開校から9年、これからどのように進めていかれるのでしょうか。
小林:学校に完成形はないと思っています。初心のミッションは貫徹しつつも、社会が移り変わっていくなかでベストなカリキュラムというものも変わっていかなければいけません。そういう意味でどんどん進化し続ける学校でありたいです。
何十年たっても常に「ISAKってエッジが効いているよね」と言ってもらえる学校であるためには、常に先がどうなるのかを考え続けるDNAを仕組みの中に埋め込む必要があります。
また、ISAKが多くの方々にご支援していただけているのは、本当におこがましいのですが、ISAKができたことで小さな風穴ができて、新しい学校が増えたり制度が変わったりして新しい風が吹いてきたと思っていただけているからかもしれないと感じています。そう考えると、先ほどお話した、新しい教育の選択肢を増やすお手伝いをすることも期待されているのかなと思います。
例えば、アドバンス・ラーナーと言われる、学力的に非常に進んでいる子どもたちは、知識を習得するスピードが極めて速いため、どうしても画一的な日本の学校教育の中では知的好奇心を満たせません。
そういう子どもたちのための課外活動プログラムづくりを始めている方々がいらっしゃるので、今、その方々のお手伝いをさせていただいています。このように、まだ実現できていないニーズを形にしようとしている教育団体や個人のプロジェクトを応援させていただくようなことができたら嬉しいなと思っています。
中道:日本には、閉鎖的でなかなか変えられないことがたくさんあると思います。しかし、そういうところを変えることができたらどうなるだろうと想像すると、全てが機会になります。それによって日本の社会全体が変わっていく。そんな風になってほしいです。卒業生で教育を目指す方は多いですか。
小林:はい。アフガニスタンで学校を作り始めている子や、帰国して在校生のメンタリングをしてくれている起業家の子たちなど、多くの卒業生が教育に関わってくれています。
我々が今のような教育をさせていただけているのは、ふるさと納税で全国の方がお力添えをしてくださって、毎年7割の子どもたちに奨学金を給付することができているからです。心から感謝しています。今日もこういう機会をいただけて本当にありがとうございました。
中道:こちらこそありがとうございました。僕も頑張ってサポートしたいと思います。