教育

2023.05.03

教育の選択肢を広げる 軽井沢の国際高ISAKから吹く新しい風

(C)UWC ISAK

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。


Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.36配信は、前回に引き続きユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事の小林りんがゲスト。ISAK建学の精神は、どのようなバックグラウンドの子にも等しく教育を受ける機会を担保し、どんな子にもチャンスがある世界を実現することだ。そのためには教育の選択肢を広げる必要がある。



中道:前回に引き続き、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事の小林りんさんをお迎えしています。

小林さんはカナダに留学していた高校時代に、メキシコで見たスラム街に衝撃を受け、教育を当たり前に受けられる自分の環境が恵まれているのだと実感。帰国後、東京大学経済学部に進まれ開発経済を学ばれます。

キャリアを歩まれ、UNICEFに転職後はプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在。ストリートチルドレンの非公式教育に携わるなかで、教育こそが世界を変える力になると考えるようになり、100人のファウンダーの支援のもと、2014年に軽井沢で全寮制国際高校を開校。

2017年にはユナイテッド・ワールド・カレッジ ISAK ジャパンへと改名した同校では、80カ国以上から集まる生徒7割に奨学金を給付しています。

学校を始める時というのは、最初から生徒が集まるものなのでしょうか。

小林:そういう意味で言えば、1期生には本当に感謝しています。なんの実績もないまったく新しい学校に、人生で1度しかない大事な高校生活を託してくれたのですから。とくに1期生から3期生までの生徒に関しては、一緒に学校をつくったともいえます。

2010年から実施していたサマースクールの役割も大きかったと思います。サマースクールに参加した子たちは、この学校はユニークで面白そうだ、本気で他とは違うことをやろうとしていると感じて受験してくれたようです。

中道:実際どのようなところがユニークなのでしょうか。

小林:建学の精神では、変革を起こせるチェンジメーカーを育てることを掲げています。カリキュラムは、国際バカロレアを軸に独自のカリキュラムを自分たちで組んでいます。その1つがリーダーシッププログラムです。
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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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