Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。
Vol.35配信はユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事の小林りんがゲスト。教育に興味を持った原体験、軽井沢に全寮制国際高校ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンを創立までのいきさつを聞いた。
中道:今回はユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事の小林りんさんをお迎えしています。
小林さんは1991年に経団連の全額奨学金を受けてカナダの全寮制高校に留学され、メキシコで圧倒的な貧困を目の当たりにされます。98年に帰国し東京大学経済学部を卒業され、2005年にスタンフォード大学教育学部修士課程を修了。
卒業後は、モルガン・スタンレーなどを経て、UNICEFのプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在。そこでストリートチルドレンの非公式教育に携わるうち、リーダーシップ教育の必要性を痛感され、帰国後は6年間の準備期間を経て、2014年に軽井沢で全寮制国際高校を開校。
2017年にはユナイテッド・ワールド・カレッジへ加盟し、ユナイテッド・ワールド・カレッジ ISAK ジャパンへと改名。同校は80カ国以上から集まる生徒7割に奨学金を給付しています。
まず、カナダにはどのような心境で行こうと思われたのですか。
小林:私は東京の多摩ニュータウンで生まれ育ち、小学校から高校まで国公立の学校に通っていました。転機は高1の1学期の期末試験でした。数学が24点、理科も50点以下、もちろん100点満点で。それで先生から呼び出され、このままいったら国立はおろか私立大学にも行けないと宣告されるんです。普通の子なら反省して理数系を頑張るのだろうと思います。
でも、私は先生に、「なんで私の弱点ばかり見るんですか。私は早朝からバスケットボール部の練習をしていて、文科系はほぼ満点。学級委員もやっています」と反論して、口論になったんです。その話を聞いた親が、そんなに悪いところばかり言われるのなら違う選択肢を探したらどうかと言うので、英語の先生に相談しました。
そしたら、日本協会から全額奨学金が出るユナイテッド・ワールド・カレッジの留学案内を渡してくれて。親も「いいんじゃないか」と背中を押してくれたので、それならば、と高校を中退して2年から留学させてもらいました。振り返ってみると、人生は苦境から一歩踏み出すと拓けるようです。
中道:中退して留学。思い切った決断ですが、そういう時に行動できるかどうかが大事ですね。りんさんは行動派だったんですね。
小林:どこに根拠があったのか不明ですけど、親が常に私を信じて背中を押してくれたんです。「大丈夫。おまえは行動すれば次が拓ける」と。
中道:同じ親としてその言葉は強いですね。それで、カナダに留学されてどうでしたか。