サイエンス

2023.04.07 12:30

「生きている植物の葉」を使う発電システム、イタリア技術研究所

人工の葉を天然の葉に接触させて電気を起こす装置。イタリア技術研究所にて(Cristen Ro)

それでもアルミエントは農業、センシング、信号伝達など、電気を使ったより正確な監視アプリケーションにこれを利用できると信じている。たとえば別の研究チームは、植物を使って電気を取り出すことによって、果実の糖度の監視や湿度の測定を行っている。
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あるいは、植物電気システムで比較的狭い場所の照明に電力供給することも考えられる。「これを私の庭に置くのが楽しみでなりません」とアルミエントが電気料金値上げのために照明を減らしていることを挙げて言った。利点の1つはこのシステムが身の回りの植物という既存資源を利用し、新たなゴミを出さないことだ。

一般の人たちの反応についてアルミエントは「ワオ!みんなの声を要約するなら『ワオ!』です」と言った。

ファビアン・メダーは、この接触帯電システムを使ってLEDを1つ点灯させることに成功した時、彼にとっての「ワオ!」の瞬間を体験した。「あれは本当にすばらしい瞬間でした。そんなことができるとは誰も思いませんから」
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そして彼らはそんな「ワオ!」の瞬間を拡大しようとしている。ツタの葉を無線アンテナに使ってみたこともある。ある実験で彼らは、植物が8km離れた無線周波数を検知できることを発見した。「植物の内部には水とイオンが含まれています。基本的にそれはイオン伝導体です」よって植物が無線アンテナの役割を果たすことができる……ただし無線信号を検知するためにどんな種類の生物学的機能が働いているのかはわかっていない。

「植物にできて私たちにできないことはたくさんある」とアルミエントは論文概要に書いている。実際、植物は超音波を出すこともできる。「概して人は植物の可能性について明確な認識を持っていないと私は考えています」

本稿は、イタリア技術研究所(ITT)における、欧州研究会議(ERC)が支援するジャーナリスト・イン・レジデンス・フェローシップ(ライターが研究施設に長期間滞在して取材する活動)期間中に執筆された。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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