これを踏まえ、もし女性が特許取得活動について学ぶ機会があれば、技術者が必要とする情報を提供することや、自分の知識に自信を高めることができ、結果として、女性技術者の特許出願が増えるだろうという考えに至ったのです。
そこでウエスタンデジタル社では、女性技術者の特許取得活動への参加を拡大することを目的に、She Invents(シー・インベンツ)と呼ばれる女性発明者プログラムを創設しました。
その一環として立ち上げられたメンタリングプログラムでは、経験がより豊富な発明者が、比較的経験の浅い女性発明者に当社の特許取得プロセスに関する知識を伝授。具体的には、特許取得が見込めるアイデアの見極め、そうしたアイデアの特許申請検討プロセスへの提出、承認されたアイデアの特許出願といった面において、メンターがメンティーの支援を行います。
また、このシー・インベンツ・プログラムのもとで、特許審査委員会に女性が加わることになりました。
この委員会に参加することで、女性は当社の特許取得プロセスに関する知識を深まり、経験の浅い発明者、特に女性技術者に指導と助言を行えるようになります(技術者が女性の場合、女性委員の方が安心して相談できるかもしれません)。
この他、これまで計測していなかった女性発明者の進捗状況を追跡するという新たな取り組みも始めました。女性による特許出願数の増加率は、シー・インベンツ・プログラム下のさまざまなイニシアチブがどの程度成功しているかを示す重要な指標になります。
また、これらのデータを基に、今後どの取り組みを継続すべきか、あるいはどのような新しいイニシアチブを開発すべきかという考察において、重要な参考資料になるのです。
シー・インベンツ・プログラムが社内で初めて公表された2020年5月以降、女性の特許プログラムへの参加は27%増加しました。
女性が特許取得プロセスに参加することで、特許法や最先端技術に関する知識が蓄積され、自分のアイデアの価値を自覚することができるようになります。これによって、彼女たちのプロフェッショナルとしての成長を促し、自分の意見を表明するための自信を与えます。結果として、女性たちは仕事への満足度が高まり、リーダーシップを発揮できるようになるのです。