──第二フェーズは?
その規模が大きくなった先にやってくる、データとアルゴリズムの世界です。
インターネットサービスは、プラットフォームの機能が充実してくるとコモディティ化します。それが他を寄せつけない存在になっていくうえでカギとなるのは、集まったコミュニティが生み出すデータを次の価値に繋げていくことです。
このアルゴリズムの仕組みを確立させるフェーズに向けて、開発や会社組織の体制を整えているというのがクラスターの現在地です。今年来年くらいから、大きな勝負の時期を迎えると考えています。
──第一フェーズから第二フェーズにかけて具体的にどんなことが起こるのか、思い描いていることをお聞かせください。
2023年から25年頃にかけて、2Dから3Dへ、あるいは動画の民主化に続いて、簡単に言うと「ゲームの民主化」のようなことが起こると思っています。
動画の世界で、これまで映画やテレビ番組のような映像作品のほとんどがプロの集団によって莫大な予算をかけて作られてきたものが、YouTubeやTikTokが生まれて、一気に多くの人たちが作って流すようになりました。
この流れがゲームの世界でも、「cluster」や他のプラットフォームで起きつつあって、今後もっと拡大していくと思います。
トップオブトップではなくユーザーが作った、いわゆる「チープ」なゲームがみんなでワイワイ楽しまれる。お金もゆるやかに巡って、全体で見れば大きな市場としての存在感になっていくイメージです。
今その流れのトップを走っているのがロブロックスで、月間アクティブユーザーが2億人くらいですが、それでもまだYouTubeやTikTokの10分の1とか15分の1。これが10億人を超える時がきっと2030年までに来ます。
シェア争いについても、新しいプレイヤーがリードする可能性が高い。そこを全世界のみんなが狙っているし、クラスターもその一社です。イベント事業でしっかり稼げていて、競争力は十分あると考えています。
日本のIPをもって勝負できれば、世界に向けてもこの強みを発揮できるはず。アニメ、マンガ、ゲームとのコラボが肝になります。
そしてクラスターでは、2021年に東京⼤学稲⾒研究室、京都⼤学神⾕研究室の協⼒のもと設立した「メタバース研究所」で、データをプラットフォームに還元していくためのマシーンラーニング、ディープラーニングの研究開発に取り組んでいます。