ただそれはイベントの一つの形態でしかなく、興行なんです。タレントさんがいて、チケットを捌くという、シンプルなビジネスでした。
そしてコロナ禍を経て、これまでよりもっと幅広くバーチャル空間自体を活用しようという、当初から描いてきた方向に大きくシフトしたのが2022年です。
大規模アップデートを実施して、メタバースの「ソーシャルプラットフォーム」としての機能を充実させ、イベント事業でも、ライブ興行の割合が少なくなり、色々な業界・企業のニーズに応えて様々なバーチャル空間を作り、その場を活用してもらうものが中心になりました。
メタバース空間でみんなで遊べる『メタバース 黒ひげ危機一発』や、スマホゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』の世界を再現して、1カ月間ハロウィンイベントを開催するなど、大掛かりなものも増えています。
目指すは「バーチャル経済圏」の構築
──メタバースの「ソーシャルプラットフォーム」としての機能を向上させたという、大規模アップデートのポイントを教えてください。帽子やめがねのようなアクセサリー機能を追加したり、8点・10点・11点トラッキングに対応したりして、アバターの表現の幅を広げたり。スクリプト対応やクラフト機能を強化して、より自由にワールドやゲームを作れるようにしました。
それと並行して、制作したアイテムを売買できる「ストア」の更なる整備も進めています。
また、音声ノーマライズ機能の追加など、快適に利用してもらうための細部のアップデートにもこだわりました。
──作る、売買する、楽しむ機能がひと通り揃ったというところでしょうか。
はい。僕たちは「人の創造力を加速する」ことをミッションに、「バーチャル経済圏」のインフラの構築をビジョンに掲げてきました。目指しているのは「クリエイターエコノミー」の確立なんです。
ユーザーが公開してくれたワールド・ゲーム数が44000を超えましたが、今後はアバターやアクセサリーも含め、また機能追加やアップデートで、ますます加速させていきたいと考えています。