政治

2023.02.16 12:00

「高高度物体」が気球や飛行機でないなら何? ホワイトハウスの説明は曖昧

軍は現在、落下現場から残骸を回収することを急いでいるため、果たして物体が気球なのか一般的な飛行機なのかそれ以外なのかは比較的早く確認されるだろう。もしEMドライブが関わっていれば、他のタイプの航空機には見られない特徴的な部品が残骸から見つかるだろう。

「空洞と電磁波増幅器がわかりやすいヒントになるでしょう」とショーヤーはいう。マカロックは「過剰スペックで何の機能もなさそうに見える導電構造」だと述べた。

もちろん、この種の型破りな技術が関わっているとすれば、新たな疑問が湧いてくる。中国が世界を変える最高機密のテクノロジーを、別の方法で容易に実現可能で敵対勢力に捕獲される可能性の高いミッションに使うことは理に適っていないし、このテクノロジーに取り組んでいる人たちにも疑いを抱かせる。

「単に気球を使えばいいだけです。中国が最先端技術をこんなかたちで披露するでしょうか?」とマカロックは疑問を呈した。

今回の高高度物体が特異な科学で駆動されている可能性は極めて低いが、空軍がもっと詳しい情報を出すまで、そして彼らが気球ではないと言い張っている間は、これが私たちが真実にたどり着けるための最も近い答えだ。

更新:東海岸時間2月13日午後1時45分
ホワイトハウスの記者会見で新たな情報は出てこなかった。ジョン・カービー報道官は、問題の物体の詳細について話すことはできないと述べた。米国が最近、中国軍は高高度気球プログラムを持っていると断定したことに言及したが、物体が何であるかを疑いなく特定することはできていないとも話した。

カービーは、問題の物体は米国の軍事施設を監視していた可能性があり、民間の航空交通に有害である可能性もあるため「十分な注意を払った上で」撃ち落としたと話した。彼は米国の航空機、気球などが中国の領空内を飛行したとは認識していなかった(中国は最近異論を唱えている。カービーは、3つの物体が風によって動いていたが、予測可能な方法ではなかったことを示唆していたので、気球であると考えられるが、ここでも同氏はそれを気球とは呼ばなかった。

唯一の断定的声明としてホワイトハウスのカリーヌ・ジャン・ピエール報道官は、他の惑星から地球に生命体がやってきている兆候はないと語った。この発言は(おそらく気まずい)笑いで迎えられた。

しばらく空から目を離せない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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