入学時に英語力は不要 卒業までに国際的な思考&実践力が身に付く
「英語」や「グローバル」という視点を採り入れたこのコースは、勉学一辺倒に偏らない豊かな人間性を養うことを目的としている。上野という立地を活かし、博物館・美術館・動物園といった文化施設をコミュニティーとして活用することで、個々の能力や個性を存分に活かした進路へと導いていく。授業が英語で行われるというと、入学時の英語力に不安を覚える人も多い。しかし、ターゲットを帰国子女や外国人子女ではなく、日本で生活してきた生徒に設定することで、入学時に高度な英語力を必要としなくなる。自国と海外の良さを兼ね備えた教育を受けられる、そうした生徒の勉学に適した学習環境が、最大の魅力だ。
「学校法人上野学園」国際コースのプログラム・デザイナーを務め、25年以上にわたり教育プログラムのスペシャリストとして活躍しているマイケル・サンダークリフは、今回のプロジェクトについての構想を語る。
「日本の教育システムを発展させていく為に、全く新しい教育モデルを構築しました。他のどの国にも存在しない日本人学習者に合ったメソッドなので、日本の子供達に本当に必要なスキルを提供します」(サンダークリフ)
私生活では、国内でご子息の子育てをしているという同氏は、思考力・柔軟性・創造力・勇敢さを教育ポリシーに掲げている人物。
「『楽しさ』という一時的な快楽よりも、目標を達成した時に得られる『喜び』を知って欲しいので、この国際コースをプログラムするに当たり、その点も考慮しました。生徒達には、学校に行くのが待ちきれないという感覚で朝起きて、授業を終えた後には自宅で目を輝かせて、その日に起こった出来事や学習成果を家族に話す、そんなエキサイティングな毎日を送って欲しいと願っています」(サンダークリフ)
マイケル・サンダークリフ
学力向上の前に、家族との幸せを重視する考え方
「語学力や学力の向上だけでなく、生徒には、幸せになってもらいたい」と、人間味溢れるコメントを寄せるマイケル・サンダークリフ。一方、プログラム・アドバイザーの秋山ゆかりは、自身の子育て体験から、時代が移り変わろうとしても大きく変革されない、旧態依然とした日本の教育スタイルに以前から歯痒さを感じていたという。世界初のウェブ・ブラウザーや音楽ダウンロードサービスにエンジニアとして携わった後、現在は、戦略・事業開発の専門家として第一線で活躍する秋山。
「私には小学生の娘がおりますが、これからの教育を考えた時、最初は海外留学を考えました。その前段階として日本でインターナショナルスクールへ送り出そうと思っていた矢先、言語力と理解力に長けている娘本人から、『小学生までは日本で学び、中学生から海外で英語や第三外国語を学びたい』という希望を伝えられました。
一旦は娘の言葉に納得したものの、中学から海外留学させれば、長らく親子が離れて暮らす生活になってしまう。そこで、高校卒業まで日本にいながら国際感覚が養われるこのコースに賛同し、私自身と娘の実体験も交えつつ、様々なアドバイスをさせていただきました」(秋山)
保護者それぞれの悩みや想いに学校側が寄り添ってくれる点にも共感した秋山は、自身が学生時代に受けた教育体験に基づく、リアリティ溢れるアドバイスも寄せている。
「いまの時代、こんな教育があったらいいな!」を次々と実現していく少数精鋭のプロフェッショナル集団。彼らが徹底的にマーケティング&プログラミングし、保護者の願いを反映した「上野学園国際コース」には、膨大なデータや情報が溢れかえっている現代だからこそ見えてくるものがある。
留学やインターナショナルスクールに次ぐ、第3の選択肢として、日本の教育界に一石を投じる試金石となるに違いない。