これまで6期を開講し、累計100人が受講。修了者がfreeeやユーザベースに内定するなど、実績が出始めている。iSGSインベストメントワークスの佐藤真希子は、22年1月にMs.Engineerが実施したシードラウンドで出資を行った。その理由とは。
佐藤:やまざきさんとはサイバーエージェント時代からのお付き合い。私が投資部門に従事する前にいた広告営業の部署で、内定者アルバイトとして彼女が入ってきたのが最初です。
見た目は派手だけれど、求められたことに対して最高のパフォーマンスを出そうとする一生懸命な人で、社員として入社した後は、新規事業でヒットを連発して、すぐに会社を代表するトッププロデューサーになりましたよね。
やまざき:当時は会社がブログなどの「Ameba」事業を伸ばしていくタイミングで、若手をプロデューサーに抜てきしてくれていたんです。アバターコミュニティの「アメーバピグ」や大人女性向けのメディア「by.S」などの立ち上げに事業責任者として挑戦させてもらい、結果を追い求めていました。
上昇志向が強かった私にとって、会社の営業部門で最初の女性マネージャーになった佐藤さんはロールモデルのような先輩。仕事のことはもちろん、人生のことで悩んだときにも、食事にお誘いしたりして、頻繁に相談させてもらっていました。
佐藤:すごく優秀な人材ということはわかっていたので、やまざきさんには将来、絶対に起業家になってほしいとずっと思っていたんです。だから今回、出資の相談を受けたときは、ついに来たかという思いでした。
これからの日本社会でとても重要なリスキリングというテーマですし、女性向けのビジネスや女性のマネジメントを数多く経験してきたやまざきさんがやるにふさわしい事業だったので、すごくワクワクしました。
やまざき:私自身は、もともと女性向けの事業にすごくこだわりがあるわけではなくて、自分がいちばん得意な役割が偶然そこだったんです。小学校から大学まで女子校出身で、家庭でも母親や叔母がシングルマザー。
親戚が集まると女性しかいない環境で育ちました。女性の気もちをくみ取りやすいという背景があるんです。リスキリングの観点でいうと、Ms.Engineerの事業は「令和版女子教育」だと思っています。
歴史を振り返ってみると、例えば明治や大正の時代に女子大ができた経緯は、学びが遅れていた女性をまとめて効率的に教育するためでした。その結果、今日の女性の教育水準は男性と同じになっています。
現代の日本で女性がデジタルスキルを身につれば、彼女たちの働く選択肢が増えて雇用環境も改善できるし、IT人材不足の解消にもつながります。国が経済成長するうえですごく合理的で、いいことしかありません。