では、リポートから4つのポイントを取り上げて説明しよう。
トレンドその1:AIがいっそう存在感を増す
2023年には、ロボットウェイターやロボットシェフに限らず、飲食業界における人工知能(AI)の存在感がいっそう増すだろう。食べ物のプレゼンテーションという点で関心が集まるのが、画像生成AIが生成する、食に関するさまざまな画像やスタイルだ。空想と現実の中間にあるようなイメージがすでに生まれている。
たとえば、イスラエルの開発会社オムリ・ファインスタイン(Omri Feinstein)が人気ベーカリーの広告用にAIで生成した、ハヌカのお祭りで食されるドーナッツ「スフガニヤ」の未来的な画像が話題だ。
運営の面では、機械学習を行うAIが飲食店のマネージャー役を果たすケースが増えるだろう。たとえば、日々の天気に応じて用意する野菜や果物の量を決定したり、電話で応対したり、皿洗い担当者を野菜の下ごしらえ担当に配置換えしたりといったタスクをこなすようになる。
トレンドその2:超高級ダイニングクラブが注目される
超高級の会員制クラブやレストランがブームになるだろう。「一般向け」とうたいつつも、実際には豪華な邸宅を改装したクラブや、高額なNFTを購入して会員資格を得た人だけが入れるNFTレストランなどだ。
そうした超高級クラブは、ハーバード大学やイエール大学などに存在する伝統的な大学のクラブとは異なり、飲食を中心にしている。入会金は50万ドルにも上るうえに、実際の飲食費やサービス料を月々支払わなくてはならない。
また、1泊料金が最低でも3200ドルはするニューヨークの有名ラグジュアリーホテル「アマン・ニューヨーク」では、滞在客しかロビーにあるバーやレストランを利用できない。ただし、滞在客ではなくてもホテルを利用できる道は残されている。20万ドルを払えば、ホテル内にあるプライベートクラブに出入り可能だ。クラブメンバーになれば、ホテルのコンシェルジュサービスとアメニティも利用できる。