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2023.01.04

2023年に注目を浴びそうな「食のトレンド」4つ

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トレンドその3:植物由来食品の人気に陰り


市場の動きを見れば、植物由来食品の人気が低下していることがわかる。ここ12カ月で、スーパーマーケットでの人工肉の販売量は約10%減少した。また、代替肉大手ビヨンド・ミートの株価も、2021年秋は108ドルほどだったが、現在は12ドル台に急落している。植物由来食品に対する人々の熱は冷めてきているのだ。

その原因には、価格や味のほか、健康にいいという主張に対する懐疑的な見方の高まりなどがある。それよりも大事なのは、ラベルの記載内容が複雑なことだ。これは、植物由来食品がかなり加工されていることを意味している。

とはいえ、グリーントレンドが終わるとは思わないでほしい。植物由来食品を提供する飲食店チェーンが引き続き誕生しており、多くの人々が利用している。また、代替タンパク質メーカーの多くも、多額の資金を調達している。

植物由来食品を巡る流れを一変させる可能性を秘めているのが、培養肉と、植物由来の人工肉をミックスした「ハイブリッド・ミート」だ。本物の肉に近い味わいがあり、さらに「健康的というオーラ」も持つハイブリッドのタンパク質が、植物由来食品への関心を取り戻すきっかけになるかもしれない。

トレンドその4:デリバリーよりピックアップが好まれる傾向に



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インフレ懸念が増し、配達料の値上げが続いているため、食品を配達してもらうよりも、自分で取りに行く人が増える見込みだ。

デリバリーが敬遠される要因として、デリバリーアプリに対する信頼を失うような体験をしたユーザーがいることがある。アプリによっては、チップを弾むユーザーと、ケチるユーザーが表示され、配達員は、その情報をもとに配達の優先順位を決めている。そのため、注文しても無視されてしまうユーザーすらいるのだ。

一方、ピックアップが好まれる要因としては、カジュアルなファストフード店やチェーン店が、ピックアップ専用レーンやピックアップ専門店を設けて効率化を図っていることがある。客がピックアップによって節約できる時間とお金は、30%から50%にもなる。

価格の高騰も忘れてはならない。注文する料理に応じて配達料が変わるダイナミック・プライシングの場合はなおさらだ。こうした変動料金制を試験導入するデリバリーサービス会社が増加しているため、消費者が反発したり、ピックアップ専用レーンの設置がさらに進んだりすることも考えられるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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