ロシアを非難しない 非同盟アフリカ各国の論理

ロンドンでの取材で質問に答えるムセベニ大統領


北欧の諸国の議会の中でも私たちを支持した人がいた。ポルトガルでもマリオ・ソアレス元大統領(1976-78,83-85年に首相、1986-96年に大統領)は、独立の交渉に実際にあたり、支援をしてくれた。その後、西側ではもともと私たちを支持していなかった愛国的な右翼の人たちも、今は私たちを支持してくれるようになった。

いずれにしても私たちは戦争をするのではなくて、人々を団結させたいのだ。だから、ロシア人、イギリス人、アメリカ人、誰もが友人なのだ。彼らとの間に過去あった問題は終わった。私はあなた方と争うつもりはない。

ポルトガルの、カヴァコ・シルヴァ元首相(1985-95年に首相)なんて、私がモザンビークにいたとき、私を爆撃していた人だ。しかし戦争は終わり、私たちが勝ったんだ。そしてそれは、もう忘れたことだから我々はロシアや中国やイギリスやアメリカとも友好的になれる。

もしも私たちのありのままの姿勢を必要としないのなら、それはあなたたち自身の問題だ。私たちが納得できない戦争に強制的に参加させられることはない。

私が投資を呼び込もうとしていることについてだが、ウガンダは無料で我々の国を見に来てもらうように招待する準備がある。そこで一緒にお金を稼ごうと言っているだけだ。それに対して「来たくない」というのだとしたら、それはその人の判断だ。自分で考えて動けばいい。

人権についてだが、私は先程モザンビークで戦っていたと述べた。何のために戦っていたと思う? 人権のためだろう? だから正直に言うと、人権についてあまり知らない人たちからの挑戦は受けて立つことができる。彼らは人権について私に尋ねるべきだ。なぜなら私は彼らよりも人権とは何かを知っている。自分たちが何をしているかをよく知っている。そこに気を配ることはあなたたちに助けになるだろう。


ロンドンでウガンダ投資を呼びかけるイベント

──今のウクライナでの戦争について見解を聞かせてほしい。西側への非難もあるだろうが、ロシア軍の非人道的な行為についての見解も知りたい。また非同盟運動の議長として、非同盟の視点で西側やウクライナには何を求めるのか(テレビ東京中村)

日本語で「Thank you」は何というんだっけ……ああ「アリガト」か。質問ありがとう。

指摘の通り、非同盟運動の議長を務める。強力な非同盟諸国と話し合うことになる。インド、インドネシア、ベトナム、イランなど、素晴らしい国がたくさんメンバーに名を連ねている。 ナイジェリア、南アフリカ、ヨーロッパの国もいくつかは入っているし、サウジアラビアも含まれている。

彼らのために話すわけではないが、何を言うべきか合意しておく必要がある。私たちは、1950年代にこの運動の前身を始めていたために長老の立場だ。インドネシアのスカルノ元大統領、ユーゴスラビアのチトー元大統領、インドのネルー元首相、タンザニアのニエレレ元大統領のようなの過去のリーダーは、世界の二極化を避けるため、東西の対立を避けるために話し合いをしたのだ。
次ページ > 人類450万年での2つの問題とは

文・写真=中村 航

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事