このポーランド着弾について、同調査会社のリポートでも「ウクライナ情勢に関わる不安感に影響を与えた可能性がある」と指摘されている。この戦争が始まってから初めてNATO(北大西洋条約機構)の域内で死者が出た事案が、「すわ第三次世界大戦か」と欧州各国のニュースで衝撃をもって伝えられたことを考えると、この分析は当を得たものだろう。
この一件は、ウクライナでの戦争が長期化により“当たり前”になるなかで「この戦争が自分たちの生活、自分たちの命とも地続きで非常に重要なものだ」という認識を新たにする機会となったのだろう。もともと「ウクライナが倒れたら次は自分たちが」と危機感を抱くポーランドならなおさらだ。その他の欧州各国にもある種の目覚ましになったようだ。
ポーランド着弾の現場 プシェボドフ村のポーランド軍兵士
戦地から遠い日本では、この戦争が命に関わるものだとは捉えづらい。さてそれをどうやって継続して伝えていくか、我々メディアの役割も問われている。
たとえ「支援疲れ」という言葉を使うにしても、目を引く言葉だからと安易にその言葉を使わずに、データや現場での取材などをもとに多角的に伝えていきたい。この記事もあくまで1つの見方である。読者・視聴者の方も様々な情報を多角的に得るようにお願いしたい。