ビジネス

2022.12.24

W杯森保監督のノートに学ぶ トップクラスが続けるたった1つの習慣

普段はキャンパスノートではなく、コクヨの「測量野帳」というノートを気づきメモとして使っている


アウトプットにつながるメモの書き方とは


森保監督は、練習や試合で気づいたことや思ったことを書きとめて、戦術に活かしたり、選手に伝えるメッセージに変換したりしていました。要するにアウトプットにつながるメモの使い方をしていました。

ところが一般的によく聞くメモの課題に、「メモはしているけどアウトプットに活かせていない」「メモをどう書いていいのかわからない」などがあります。

そんな課題を抱える方に試してほしい1つのコツ。それは、単に自分が得た情報だけをメモするのではなく、それに「気づき」を加えてメモしておくことです。それだけでメモの活用度は変わってきます。

ワールドカップのドイツ戦を例に出したいと思います。

覚えている方も多いと思いますが、ドイツ戦で日本は前半のあいだ終始攻められ続けて、このままだと日本はボロ負けするのではと思われました。ところが後半に守りを4バックから実質的な5バックに変え、ドイツの攻撃を止められるようになったのです。

面白いなと思って、私は次のようなメモを書きました。

MEMO

・W杯ドイツ戦、同じ11人でもシステムが変わるとここまで変わる

・4バックを5バックにするだけでドイツが攻められなくなる

 ▶一人ひとりのやることが明確になることで組織は機能する

 ▶︎仕事のプロジェクトも同じ。曖昧な役割が明確になるように意識しよう

上の2行が自分が面白いと思った情報、出来事です。
下の2行、▶をつけて書いたところが「気づき」になります。

どこが「事実」でどこが「気づき」かわかるようにするのがメモのコツです。「▶」「★」「◎」など、気づきには何か印をつけておくといいでしょう。

面白いと思った事実としての情報だけをメモしても、単に「ドイツ戦の後半、システムを4バックから5バックに変えて上手くいって良かったねえ」という雑談ネタにしかなりません。

しかし、それに自分が感じた気づきを書くことで「なるほど、臨機応変に動く組織でもある程度の役割分担は明確にしないとダメなんだな。自分がマネジメントしているプロジェクトの役割分担は大丈夫だろうか?」と、他のことに参考にできる知識として吸収できるようになるわけです。
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文=下地寛也

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