木村編集長の幼少期には、1人1人の子供部屋があって、食後は自分の部屋に戻ってひとりで勉強をしていたという。「その合間に親が子供部屋にお菓子を運ぶ、みたいな個々の関わりでした。ところが、現在は様変わりしているように思います。リビングで皆一緒に過ごし、その一角で子供が勉強している、みたいな家族の繋がりを感じられるご家庭が増えているのではないでしょうか」。
子供部屋についても「AERA」とは、真逆のスタイルを持つ「Lightning」読者層。「うちの読者は、郊外型の読者が多くて、親の趣味部屋や、子供部屋を持っていらっしゃる方がほとんどです。勉強ひとつとっても、やる、やらないで言えばやらなくてもいいかな、みたいな空気感があって(笑)。一極集中型の趣味を持つ親が、自らの背中を子供に見せる傾向が強いですね」
このように、2つの雑誌から伺える読者の教育論や住まいの環境は全く異なるものの「教育は多様である」と、木村編集長と小池編集長の意見は、一致している。理想的な子育て空間とは、「大きなリビングで家族が繋がっていて、子供が勉強できるような区切ったスペースが存在すれば良いなと思います」と、自ら実践している住まいの間取りを提案する木村編集長に対し、小池編集長は、「僕自身、車が好きだからガレージは絶対欲しいな。リビングも大切だと思うけれど。リビングを介してガレージに行ける動線が確保出来ていれば理想的ですね」と語る。
そんな2人の対談の裏手にスタンバイしていた積水ハウス設計士・下津淳子さん。この対談を基に、理想的なリビングを即興でパースに起こして登場した。「親の眼が届くLDKの中で子供の勉強場所を確保したい」木村編集長と、「子供が自由に決めた場所で勉強させてあげたい」小池編集長。2人の意見を上手く取り入れたのが、「大きな変形出来る可変ダイニングテーブル」。これにより、子供が自主性を持って勉強する場所を、子供自身で選べる空間が実現した。
このパースを見て、「真逆の考え方なのに、何かこれイケる!」(小池編集長)「いいとこを合わせて設計している間取りですね!」(前田編集長)と、家族が繋がって過ごせる住まいの可能性が広がった。