「マインドセット」と「拡張性」が今後のテーマ
大企業がどのように変わっていくか?について、「Web3を活用するには、マインドセットを変える必要がある」という渡辺。「iPhoneが発売された時に出来ることは、電話をかけることだけでなく、本体に搭載されているGPSやカメラ性能だった。そこからUberやインスタグラムやFacebookが生まれた。
ブログチェーンが出た時に、サーバーと比べる企業は、だめです。『情報をパブリックに管理する基盤を持つ、新しいデジタル環境』として認識することが大切かと。これからは、パブリックチェーンやパーミッションレス型をやる企業が増えて欲しいと思います。つまり、ビジョンやビリーブが重要になると考えています」
「Web3とは価値観変化」という湯川は、Web3の登場は、一部の大企業が力を持ちすぎてしまったアンチテーゼだと考えている。「power to the people、つまり人々に力を与えないといけない、と多くの人が感じ始めていた民主化の流れだと思います。プログラムの民主化は進んでいる。
だから今後はデータの民主化が必要。そこに大企業がどうからんでいけるか?既にIBMは、オープンソフトウエアの団体に参画しています。このように、今後は、レビテーションを高めていく意味でも、大企業が持つノウハウをサポートする役割が求められるのではないでしょうか?利益だけを求めていく企業は、今後廃れていくのではないでしょうか?」
「Web3の爆発力は、拡張性にある」という平。「トークンて難しく、これは証券なのか通貨なのか?色々なトークンが出てきたので、よりその性格が分からなくなり始めている。アメリカは、トークンに対して、当局がスコープを広げていますが、今の日本で、我々は、「金融庁が担当するトークンの種類を精査すべし」と言っています。
また、デジタルアートの例を挙げると、何十億になったとかのニュースも報道されてはいますが、あまりそれらに踊らされてはいけない。
本質的に重要なのは、DAOがどれだけ使えるか?です。そこで現在、DAOの法定化に取り組んでいるところです」。今は、グレーゾーンとホワイトゾーンの区分けを求められている段階ともいえる。
撮影:Yoshiki SAKAZAKI
日本における壁は、税制システム
現在、Web3は、河野デジタル大臣が担当し、デジタル庁の管轄にあるが、将来的には、専用のワンストップ部署が必要だと考える平。「まずは、自治体のワンストップ窓口からスタートしていきます。勿論、ONE JAPANからもご相談を受けられるようにしますよ(笑)」
海外を舞台に活躍している渡辺は、政府の動くスピードの早さに驚いている。「具体的には、トークンを取引所に出す審査がこれまでは時間がかかっていましたが、こういった問題を平さんはじめ、日本政府がスピーディーに進めていただいているのを肌で感じています」。
「一方で不便も感じていて。民間側と日本政府側、として考えた場合、民間は世界で結果を出すことを視野に入れている。日本からGoogleとかAmazonみたいな会社が出てくれば、『私にも、僕にも出来るんだ』という意識が高まる。