ビジネス

2022.11.05 08:45

Web3時代、企業に必要な「マインドセット」とは


Web3整備前の今から理解を深めることが重要


大企業の幹部社員も参加していたONE JAPAN CONFERENCEの会場内もヒートアップ。トークセッション最後には、今回の参加者からの質問を受け付けた。

質問①「Web3は、価値の民主化ということで現在はアートなどがありますが。具体的に今後流れるデータについて、構想があれば、お聞かせください」

渡辺:「ビットコインは、インターネット上に存在する、国に依存しない通貨ですが。例えば、『医療データ』を個人で持てば、個人にとって、価値の高いデータになり得ると思います」

質問②「社内に提案していく時、経営陣にはどのように浸透させていけばいいか?」

平:「大企業は、『社内ベンチャー』を実施するので、オープンイノベーションをしっかりやっていただきたいと思います」

質問③「政治家の平さんや、スタートアップ起業の渡辺さんが、『大企業に求めること』は何でしょうか?」

平:「アナログ価値を『デジタルでどう最大化するか?』とはいえ、何でもデジタルで解決出来るのでは無いと考えます」。

渡辺:「『技術的な制約を正しく理解すること』が大切だと思います。今、日本はまだ整備されていないからこそ、整備前の今、理解を深めることが最も大切。アメリカは、整備後に慌てて理解を深める地点からスタートしたので」。

質問④「大企業って必要なのかな?企業形態の変化がある未来があればお聞かせください」

3人のパネリストからのセッションを要約すると「組織ベースでなく、自分が興味を持ち、貢献出来そうなプロジェクトを見つけて参加する働き方に変化するのでは?よって、雇用形態にとらわれないスタイルが定着すると思います」。

質問⑤「例えば、医療業界の診療情報が流出した時のリスク。誰が責任を取るのかが不透明。そのあたりの透明性についてお聞かせください」

平:「情報って持っているだけでリスクを伴うので、Web3みたいに個々が管理すればいいよね、と個人的には考えています。行きつけのクリニックが倒産すると個人履歴が無くなってしまう。しかしWeb3上では、診察履歴が残っていれば、患者にとって本当に便利だと思います」。

湯川:「20年前から実現が待たれていた電子カルテの共有化。今、必要なのは3つの要素『安全性』『得すること』『社会貢献』だと考えます。医療で解決出来ない認知症問題も、もし多くのデータがあれば、研究の一環として使えるかもしれません。社会課題も解決し、お金も稼げちゃう」

最後に、「ブロックチェーンって、沢山の電力を使うんじゃないの?という大企業経営陣の誤解をこの場を借りて解かせてください」と、平からのメッセージをお伝えしよう。

「『ブロックチェーン遅いよね問題』も、現在のテクノロジーで簡単に解決出来る問題です。SNS時代の現在は、異業種の壁を取り払って、お互いに情報をキャッチアップしながら、よりよい形を探し出していきたいと思います!」

文=中村麻美 撮影=伊藤 淳、Yoshiki SAKAZAKI

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