このような主張は、連邦裁判所で起こされる訴訟の数を制限することを好む保守派にとって、通常魅力的なものである。保守派の判事たちは、たとえば陪審員の人種的偏見や警察による人種差別を主張する裁判を、原告適格を理由に退けてきた。つまり、ブラウン・ジャクソンは、自分が属する保守派の裁判所と協力し、彼らが共感しそうな議論を展開しているのだ。
これは、ブラウン・ジャクソンの同僚であるソニア・ソトマイヨール判事のアプローチとはまったく異なるものだ。彼女の辛辣な「面と向かって」いうスタイルは、10年前の別のケースでアファーマティブアクションを救ったという評価もある。しかし、今回はまったく異なる裁判所であり、ソトマヨールのアプローチに好意的な反応を示す可能性はかなり低い。ブラウン・ジャクソンは、同僚の言葉で話そうとしているのだ。
彼女はまた、保守的な同僚たちにアピールするために、彼らのお気に入りの憲法解釈の理論である原典主義に訴えようともしている。この理論は、憲法は憲法とその後の改正に最初に投票した人々の目を通して解釈されるべきだというものだ。ブラウン・ジャクソンは、修正第14条と平等保護条項を可決した同じ議会が、黒人の子どもを対象とする学校にも意図的に資金を投入したと主張した。それは、修正14条が批准された当時は、人種を意識することは容認されていたと考えられていたことになる。
ブラウン・ジャクソンの戦略がうまくいくかどうか、誰にもわからない。最近、人種を意識したアファーマティブアクションに反対する声が多く聞かれる。アジア系米国人が一流大学に入学する確率が低くなることは、口頭弁論で他の判事も指摘していた。また、大学側は、卒業生の子どもを優先するレガシー・アドミッションのような多様性を減らすような入試方法に甘んじているときに、多様性のあるクラスを作るために人種を意識したアファーマティブアクションが必要だと主張するのは不誠実に聞こえるかもしれない。
それでも、ブラウン・ジャクソンは、アファーマティブアクションが生き残る可能性が最も高いルートを追求している。そして、保守的な裁判所であっても、彼女の進歩的な信念を効果的に主張する可能性があることを示している。
(forbes.com 原文)